感覚ロヂック
感覚ロヂック

 日々活躍するアイドルの中には、事務所に所属せず、スケジュール管理からグッズの販売や発送まで、いわゆる「運営」を自らの手で行う、セルフプロデュース・アイドルが一定数存在する。

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 ロック系アイドルグループ、感覚ロヂックもそのひとつだ。リーダーの御影コトラさんが主な運営業務を行う。結成当初は事務所所属だったが独立したかたちだ。

 セルフプロデュースのメリットは、「自分たちにすべて決定権があること」。

「たとえば、事務所に所属していると、今の衣装が飽きたから新衣装にすることは勝手にできないですよね(笑)。セルフだと、曲を出すタイミング、イメージ、対バン相手のセレクトなど、思い通りに動くことができるということですね」

感覚ロヂック
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 大きな収入源のひとつがチェキの売り上げだ。

「私たちは、売り上げの半分を運営費にまわして衣装代やレコーディング代にあてるようにしています」

 逆に、セルフで困ることといえば、

「いろいろとナメられるんですよね(笑)」

 グループを運営しているといっても、若い女子。大人たちに軽くあしらわれることもあれば、一部のファンとの“距離の近すぎ”を感じることもあるという。

「出待ちをされたり、普通に『どこどこ行こうよ』と誘ってきたり。『いや、普通に行けないし!』と強めに断ったら、『コトラと揉めた』とオタク(ファン)の間で言われたりして。普通にルールとしてダメなだけで、一切揉めてないです(笑)」

 他にも、

「『仕事あげるから、LINE交換しようよ』と、個人情報を聞き出そうとしてるのかなと思うことがあったり。オタクの人と仲良くなること自体はうれしいのですが、きちんと線は引きたい。そこはわかってほしいかな」

 ファンとの距離だけではなく、メンバーとの距離も難しいこともある。

「時には厳しく言わないといけないこともありますけれど、すごい労力ですし、やっぱり人間なのでできれば嫌われたくないですよね(笑)。そんなときには運営の方がいてくれたらいいのになと思うことはあります」

感覚ロヂック
感覚ロヂック

 グループは現在一時活動休止し、新メンバーを募集中。8月14日開催予定の主催フェスで活動再開予定とのことだが、休止中にも現在のメンバーが個人活動したり、楽曲の配信、通販などで「忘れ去られないように」するための活動を継続中。

 責任は全部自分に降りかかるが、それでも楽しいセルフ・プロデュースアイドルライフなのだ。

太田サトル