
今回のイベントでは、「寛平GM杯争奪ネタバトル」という、吉本新喜劇の座員によるネタバトルの最終決戦も開催される。このネタバトルも、若手の新喜劇座員たちに、1回でも多くネタでの舞台経験を積ませたいという寛平GMの思いから生まれたもの。昨年4月から月に1回開催され、新喜劇の座員同志で組んだユニットでネタを行い毎回チャンピオンを決める。意外な組み合わせによる化学変化も魅力のひとつだ。これまでに開催された回、それぞれの優勝ユニットと審査会(GM含む)推薦ユニットが今回の最終決戦で頂点を競う。
寛平「新喜劇では書いてもらった台本に沿って演劇をするわけですから、自分ではネタを書くことはありません。それを書いてもらうことで、この子がこんなネタ書けるんやという発見もたくさんありました」
出場者の中には、若手ばかりでなく、吉田ヒロといった大ベテランも名を連ねている。
寛平「だいぶ後輩の審査員もいたりしますからね。点をつけずらくて困るんですよ(笑)。でも、公平にいきます」
イベントではほかにも新喜劇若手座員ユニット「秘蔵っ子」のお披露目もおこなわれる。
吉本新喜劇の歩んできた道について、途中からは外側から見守る立場だった寛平GMは、「それぞれの座長の色があるのが面白いな、そして、それぞれの色を出しながらみんなががんばってくれてきたから今があるんやなと思ってます」と感慨深げに語る。
すっちーはといえば、「お芝居で笑いをとるというスタイル、これは新喜劇でしかない独特のものなんです」と、その奥深さにふれる。
すっちー「はじめのころは、台本を見て、『こんなんウケるんかいな』と思いながらちょっと自分なりのボケ入れてみたりするとウケなくて、台本通りにやるとドッとウケたりする。これが新喜劇の歴史なんやな、受け継がれてきたもんやなと感じました」
寛平「いまだに初日はドキドキしますよ。ウケるかな、どやろなって」
すっちー「僕も初日が一番嫌いですわ(笑)」
寛平「それでいったん舞台に出たときのあの暖かい空気ね、それが感じられるのが毎回一番うれしいです」
そんな64年の歴史の中で生まれた「かい~の」「ちちくりマンボー」「ドリルすんのかい」などのギャグの数々……それらをデジタルトレーディングカード(NFT)化した「吉本新喜劇ギャグコレカ」も同日より発売される。
なんばグランド花月の舞台で、オンラインで、その集大成を目撃したい。
(本誌・太田サトル)

<吉本新喜劇記念日2023>
2023年3月21日(火・祝)
会場;なんばグランド花月
開場:18時45分 開演:19時15分
料金:オンライン2000円
※ご好評につき劇場チケットは完売いたしましたが、オンライン配信チケットを発売中です。
※週刊朝日オンライン限定記事