市村正親さん(左)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
市村正親さん(左)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
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 ミュージカル「オリバー!」で、親子初共演を果たした俳優の市村正親さん。どのような経緯で実現し、どんな心境だったのでしょうか。作家の林真理子さんとの対談で、市村さんが親子共演について語ってくれました。

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林:市村さんといえば「オペラ座の怪人」のファントムもすぐ頭に浮かびますけど、初演(1988年)のとき、クリスティーヌはどなたでしたっけ。

市村:野村玲子さん。

林:そう! 私、このごろ人の名前が出てこなくて(笑)。市村さんは、日本でのミュージカルの大きい役、みんなおやりになってますよね。

市村:「四季」をやめたあと、ありがたいことに「ミス・サイゴン」、そのあと「ラ・カージュ」(93年)をやって、その1年後に「スクルージ」をやったんです。

林:ああ、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』ですね。

市村:そのあと「蜘蛛女のキス」の日本初演(96年)とか、「モーツァルト!」(2002年)でモーツァルトのお父さんの役とかやって、そして東宝さんから「“屋根”(「屋根の上のヴァイオリン弾き」)をやってくれないか」って言われて、「モーテル役ですか?」と言ったら、「テヴィエ役で」って。

林:森繁(久彌)さんの。

市村:そう。もう6演目ぐらいかな。あと「スウィーニー・トッド」とか、僕がやるものは再演される作品が多いんですね。

林:このあいだは「オリバー!」をおやりになってらっしゃいましたよね。

市村:あれは新作です。プロデューサーのマッキントッシュから「どうしてもイチにフェイギン役をやってほしい」という話を、ずいぶん前からもらってたんです。

林:そうだったんですか。武田真治さんとダブルキャストでしたけど、そのとき武田さんにここにゲストで出ていただいたので、私、武田さんのときに見に行っちゃいました。

市村:僕一人じゃあの長丁場は大変なので、武田君がオーディションを受けてやってくれたんです。「真治なりの『オリバー!』をつくればいいんじゃない?」と伝えました。

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