「日本にいても応援できることがあるはず。ファッションに興味はありますが、買い物は控えて寄付しようかな、と思っています」(S子さん)

 2人とも侵攻前に比べ、ニュース番組や新聞に接する時間は2倍以上になったと話す。

「ぶっちゃけ、去年の衆議院選挙も今年2月の岐阜市長選挙も投票していないんです。でも政治って私たちの将来を決めることだなって思うようになったので、7月の参議院選挙は必ず行こうと思っています」(K子さん)

 アルバイト先がウクライナ大使館の近所のため、寄り道したという高校2年の男子生徒(17)=千葉県船橋市=もいた。

「一般市民が大勢傷ついたり、亡くなられたりしているのを知ると、本当に戦争って残酷だなと思います。ただ今回の戦争は“情報戦”でもあって、プーチン大統領に味方をするつもりはないけど、一方的に『ロシアが悪い』というのは、違和感というか疑問も持ちます」

 それを踏まえ、日本の状況についてこう話した。

「今のままの自衛隊の規模だと、他国に侵略される可能性もあるのでは?だから抑止力として核兵器を持つのも選択肢の一つかな、と最近思うようになりました」

 一方、反戦平和、反核兵器の立場から3月3日と21日の両日、ロシア大使館に直接、抗議したのは東京高校生平和ゼミナールだ。同ゼミナールは1978年に広島で発足した高校生平和ゼミナールがルーツで、現在、会員は都内を中心に35人。全国9地域に姉妹グループがあり約100人のメンバーがいる。

「一方的な軍事侵攻だけでも許せませんが、プーチン大統領が2月末に核兵器にまで言及しています。それで戦争被爆国である日本の高校生として黙っているわけにはいかないと思い、全国の8団体の連名で提出することにしました」

 こう話すのは、抗議声明を持参した前代表の田原ちひろさん(18)だ。これまで各地のグループは「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名や、毎年8月には被爆地で被爆者から直接、当時の話を聞くなどの活動のほか、2003年のイラク戦争の際にも抗議集会に参加してきた。

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