監督 スティーヴン・スピルバーグ/11日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/157分 (c) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
監督 スティーヴン・スピルバーグ/11日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/157分 (c) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 1961年に映画化され、作品賞を含むアカデミー賞10部門で受賞を果たした世紀の名作「ウエスト・サイド物語」に、映画界の重鎮スピルバーグが挑戦。オリジナルで助演女優賞を受賞したリタ・モレノも出演している。

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 1950年代後半のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や自由を求めて世界中から人々が集まっていた。しかし貧困や人種差別など社会への不満はくすぶり、鬱憤をためた若者たちは縄張り争いに明け暮れる毎日だった。その中でも激しく反目しあっているのが、<ジェッツ>と<シャークス>だ。

 ある日、おのおののリーダー、リフ(マイク・ファイスト)とベルナルド(デヴィッド・アルヴァレス)は、対決の決着をつけようとする。リフは、かつての仲間で、今はドラッグストアで働くトニー(アンセル・エルゴート)に決着に手を貸してほしいと頼む。一方、ベルナルドは、妹マリア(レイチェル・ゼグラー)をプエルトリコから呼んでいた。

監督 スティーヴン・スピルバーグ/11日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/157分 (c) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
監督 スティーヴン・スピルバーグ/11日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開/157分 (c) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
圧巻のダンスに自分流が撮りたかったスピルバーグの心情が覗く。素晴らしいナンバーの数々は61年版と変わらないはずなのに演出の違い、人種をいかした配役を得て、今も変わらない移民の問題を強烈に浮かび上がらせた。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
完成されたオリジナルをリスペクトし、ただスケールアップするだけでなく、スペイン語や言葉の壁を意識させる構成、女性の立場や視点を強調する演出、登場人物たちの運命を暗示する伏線などが、奥行きをもたらしている。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
「前と同じじゃん!」と最初思いましたが、どんどん引き込まれてあっという間にラスト。映画愛がたくさん詰まっていて、スピルバーグ監督のフィルターを通すとこうも印象が変わるのか! マリアの容姿と声質が素晴らしい。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
古典的名作に敬意を表しながらも、現代の繊細さを付加して映画化することに成功している。スタッフとキャストの名作への強い気概を随所に感じた。エネルギーと情熱に溢れたミュージカルをスクリーンで体感してほしい。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年2月18日号