ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「愛子さま」について。

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 天皇皇后両陛下の長女である敬宮愛子内親王が、12月1日に20歳の誕生日を迎えられました。畏くも、愛子さまが成年皇族になられる日をずっと待ち望んでいたひとりとして、初めてのローブ・デコルテに身を包まれた高貴な御姿に、言葉にならない感慨とありがたさを覚えた次第です。

 それにしてもお美しかった。たおやかで若々しい気品と愛敬に満ち溢れ、その悠然とした佇まいたるや、まさに「お世継ぎ」と呼ぶにふさわしい尊さ。誠に勝手ながらも、私はそこに「未来の天皇」を際やかに見た気がします。

 皇位継承の資格は、「男系男子」という歴史と法に基づいた原理の上に成り立っており、その原理を容易に変えて良いとは思いません。しかしながら、此度の愛子さまの御姿には、あらゆる理屈を超えた「説得力」がありました。「私たちの未来には愛子さまがおられる」。そんな心強い安らぎと誇らしさを感じた人も多かったのではないでしょうか。あくまで個人的かつ不躾極まりない感想に過ぎませんが、私が抱いたこの感覚というのは、実は結構大事な気がしてならないのです。

 小さい頃から相撲好きでいらした愛子さまが、初めて大相撲観戦をされたのが2006年のこと。当時の皇太子御夫妻に挟まれ、貴賓席の真ん中から身を乗り出して真剣な眼差しで土俵を見つめるその御姿は、まさに在りし日の昭和天皇のそれと同じでした。畏れ多くもあの日から私は漠然と「愛子さまこそ将来の天皇」だと信じている節があります。そしてその漠然とした気持ちは、徐々に「願い」に変わり、今や「確信」に近いところまで来ています。

「男子」にしか醸し出せない威厳がある一方で、「女子」ならではの奥ゆかしい母性というものがあるならば、これからの日本人にとっての拠り所は間違いなく後者である気がしてなりません。愛子さまには古き良き日本女性としての雅量と恥じらいがあらせられる。皇室や皇位に関して今後どのような議論がなされていくかは分かりませんが、少なくとも私は愛子さま御成人に、とてつもない希望を頂きました。

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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