立憲民主党の泉健太新代表
立憲民主党の泉健太新代表

 11月30日に立憲民主党の新代表となった泉健太氏は、47歳にしてすでに当選8回を数える。その泉氏の牙城で過去、泉氏に2戦2勝しているのが自民党の元衆院議員、宮崎謙介氏(40)だ。

【写真】取材に答える宮崎謙介氏

 自らの不倫スキャンダルで2016年に辞職した宮崎氏。公募に応じて京都3区(京都市伏見区など)から初出馬した12年は216票差の大接戦の末に泉氏を破り、14年は約4500票差をつけて退けた(泉氏はいずれも比例で復活)。

「泉さんは選挙の申し子というか、非常にパフォーマンスがうまい人。とにかくやりにくい相手でした」と宮崎氏は振り返る。

「週末に地元を回るとオフィシャルな式典では必ず会いました。お祭りは、彼は本当にメチャクチャ回ってましたね」

 祭りに行けば泉氏は、自ら焼きそばを地元の支持者らにふるまう。

「“焼きそばの健太”って言われてました。おまえも焼きそば焼けって周りに言われて、すごい抵抗感あったんですけど、祭りではもう焼きそばの焼きあい合戦でしたね」

 宮崎氏は、地元で髪を切るときは店を変えなかったが、「彼は同じ床屋さんにほとんど行ってないんじゃないですか。毎回、行くところを変えて。いつも刈り上げが青々としてました。それぐらい選挙対策は徹底してましたよ」。

 その代わり、政策に対するこだわりは特に感じなかったという。

「前原(誠司)さんだったら外交や安全保障、山井(和則)さんなら社会保障、じゃあ泉健太は何なのかな?と。バランスよく政策をわかっているんだろうなと思う半面、何が得意分野かは、わからなかったですね」

 新代表としての人事に「らしさ」が出たと見る。

「挙党一致でやってくぞって言って、代表選で戦った人たちを執行部に入れた。八方美人な泉さんっぽいと思いました」

 来夏の参院選に向け、野党協力はどうなるのか。

「政党である以上、何を目指すのか、明確に示さないといけない。特に日米同盟のところなんかは、共産党と意見が異なる面があるじゃないですか。でも彼は、えっ、共闘してんの、どうなのって感じで、のらりくらりかわしながら、非常にデリケートなかじ取りをそつなく、玉虫色の協力体制をうまいことつくって、選挙の実を取りに行くと思います。そういう能力には、彼はたけていると思います」

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泉氏の勝利で取材殺到かと思いきや、意外な答えが