同協会の会長で産婦人科医の北村邦夫さんが指摘する。「まず大前提として、セックスは2人の合意があってするもの。必要だと思う人がするものであり、“人生にセックスが必要か”といえば必ずしも必要ではない。夫婦やカップルの間で“不要”という意見で一致していれば、あえてする必要はないでしょう」

 ここで問題となるのが、夫婦、あるいはカップルの一方が「したい」という欲求を持ち、一方は「したくない」という意思を持っているときだ。

「この場合、専門家による医学的、あるいは生活改善を含めたカウンセリング的なサポートが必要になります」(北村さん)

※日本性科学会の定義では、特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1カ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年9月10日号より抜粋