俳優で自活できそうだというめどが立ったのは? 山中崇「今もないです」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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俳優で自活できそうだというめどが立ったのは? 山中崇「今もないです」

菊地陽子週刊朝日
山中崇 (撮影/写真部・張溢文)

山中崇 (撮影/写真部・張溢文)

上演中の舞台が始まる前に撮影。本番中は食事が喉を通らないので、いつも痩せてしまう (撮影/写真部・張溢文)

上演中の舞台が始まる前に撮影。本番中は食事が喉を通らないので、いつも痩せてしまう (撮影/写真部・張溢文)

 NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で文士・室井さんを演じて、広くお茶の間に知れ渡った山中崇さん。俳優になったきっかけや、仕事の実情などを聞いた。

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 子供の頃から引っ込み思案。親戚の集まりがあると、いつも端っこにいた。なるべく目立たないように生きていたかった。そんな山中さんが、芝居のおもしろさに目覚めたのは、高校2年生のときだった。

「都立高校の文化祭で、生まれて初めて演劇の舞台に立ったんです。“ホームルーム合宿”と呼ばれる修学旅行の行き先が沖縄だったので、その前に、沖縄について学んだことを劇にして発表することになって。ホームルーム合宿の実行委員だった僕は、その出演者の一人に駆り出された。脚本を書いたのは、やはり実行委員だった女の子でした」

 山中さんが演じたのは、ガジュマルの木に住む妖怪キジムナーF。キジムナーだけでAからFまで6人いたが、小学校1年から中学1年までの7年間剣道をやっていた山中さんの声は、体育館の一番後ろまで届いたらしい。

「普段の声は小さいんですが、剣道のおかげで、大きい声も出そうと思えば出せた。その劇を上演したあと、思いの外、『よかったよ!』と褒められて。自分の中で、『今、ちょっとモテてるな』というヘンな手応えを感じました(笑)」

 ちょうど自分の進路について考える時期。周りと同じように、大学には進学するとして、その先は就職することになるのだろうか? 漠然と将来の自分を想像したとき、「就職して、働いて、定年になって、人生が終わる」というあまりに淡々とした未来しか思い描けない自分にゾッとした。

「とにかく、文化祭で人から褒められたことが、すごく自分の中の、やる気や好奇心を刺激してくれたので、大学に進学したら、演劇をやってみたいと思いました」

 大学で所属した演劇サークルで、すっかり芝居にのめり込んだ。「小劇場」と呼ばれている世界は狭いようでいて、不思議と縦や横のつながりがあった。自分たちの劇団の芝居を見に来た人から、「次はうちの公演に出ませんか?」と声をかけられる。実家が東京だったこともあり、家賃のためにアルバイトする必要もない。「大学を卒業してもこのまま芝居を続けられたら」と漠然と思っていると、やがて大学生の就職活動の季節になった。


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