※写真はイメージです (GettyImages)
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子ども部屋にあふれる物は、「家族の黄金時代」の残り香だ。全てに“ときめく”こともある ※写真はイメージです
子ども部屋にあふれる物は、「家族の黄金時代」の残り香だ。全てに“ときめく”こともある ※写真はイメージです

 終わらない「断捨離」ブーム。そりゃあ、私らもスッキリ無駄なく暮らしたい。だけど、ちょっと待て。「実家の片づけ」でいつも責められるのは親の側だが、巣立っていった子どものモノもたくさんあるんだぞ。どうすりゃいいのよ、あなたたちの、この荷物。

*  *  *

 昨年の今ごろは、「ステイホーム」「おうちじかん」という言葉のもと、自宅での暮らしの見直し、断捨離などに挑戦した。3度目の緊急事態宣言のいま、ふと思い出した。

「実家に自分の荷物、けっこうそのままじゃないか?」。机や本棚、壁には往年のアーティストの色褪せたポスターが。

 現在70代の両親はまだまだ健在、あの荷物が片づいたら、新たにできることもあるのではないか。小言を賜ったりしたような気もするが、「また今度」とか「勝手に触るな」とか、お茶を濁してきた。そろそろ、何か言われるころかも。

「この部屋を片づければ、こんなことが私たちはできる、やりたいのだという気持ちを、きっちりとお子さんに伝えるところから始めましょう」

子育てが終わったら見直しどき 50代からの暮らしの整え方』の著者で整理収納アドバイザーのRinさんは、巣立った子ども部屋の片づけに向き合う親に向けてこうアドバイスする。それは、自身の経験も踏まえてのことだという。

「あるとき、『子育ても終わって、これからいろいろなことをやって、元気に楽しくやっていきたいと思うんだけど』と娘に言ってみたんです」

 すると娘はこう返した。

「お母さん、今までがんばってきたんだから、楽しいことをしたら」

 これを聞いたRinさん、すかさず言った。

「『そのためにはあなたの荷物が邪魔なのよね』って(笑)。今ダイニングの脇でやっているヨガや整体の施術を、リラックスしてやりたいんだと。そのためにも、一肌脱いでくれない?とお願いしたんです」

 5月発売予定の『わたしに合った「片づけ」ができる仕組みづくり』の著者、ライフオーガナイザーの中里ひろこさんも、親子のコミュニケーションを重要視する。

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