また、公判では白石被告がXさん殺害後、コンビニエンスストアに向かったことも明らかにされた。

 そこで自分用の食事、パスタとともに「キムチ鍋の素」「ジップロック」を買ったことを検察が指摘した。白石被告はその理由を問われ、公判でこう明かした。

「バラバラにした遺体のうち、大きな骨はキムチ鍋の素で煮込んで、肉を削いで、ジップロックに入れ、匂いが出ないようにした」

 あまりにおぞましい犯行だった。拘置所で面会した時には、白石被告自身もためらい、言葉にできなかったのではないかと思えてならない。

 公判では、被害者が本当に自殺を了承していたのか、が大きな争点となった。白石被告は公判でXさんや他の被害者について「死にたいと言った人はない」と淡々と語っていた。

 法廷では自身の弁護士の質問に対し、たびたび「黙秘します」と証言を拒否。しかし、検察側の質問にはしっかりと答えた白石被告。

 記者との面会では「被害者への謝罪の気持ち?それは沸いて来ない」と軽い口調で話していた白石被告。だが、かなりの重圧だったのか、法廷でたびたび、顔をしかめるような表情を見せた。そして何人かの被害者には「申し訳ない」と謝罪の言葉を述べていた。

「どんな判決でも控訴しません」

 面会では気丈に話していた白石被告。死刑判決がくだされた今の心境は知る由もない。

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事