想定される対象は愛子内親王殿下、眞子さま、佳子内親王殿下、黒田清子さんだった。眞子さまが結婚されると、「皇女第1号」となることを意識して検討されている新制度だった。

 これに驚かれたのは、天皇、皇后両陛下だった。愛子さまにも関わってくる重要な制度だが、菅政権は両陛下のご意向は確認していなかった。

 宮内庁次長は、定例会見で記者から「皇女」について質問されると、憮然とした表情で「宮内庁としては聞いていない」と答えた。

 政治部記者が「皇女」が検討されるという背景をこう解説する。

「明仁天皇の退位を実現するため、2017年に制定した特例法の付帯決議は、女性宮家の創設などを政府に求めていました。しかし、女性宮家で生まれた子どもは『女系』となるため保守派議員から反対も多い。今回の皇女制度の案は皇位継承権とは別なので保守派からも受け入れられやすい、いちばん簡単なものです」

 今後、女性皇族皇室と関わっていける間口を広げた案ではあるが、このタイミングでの発表と対象となる女性皇族の数など課題もある。

 寝耳に水だった両陛下のお気持ちはいかばかりなのだろうか。

週刊朝日  2020年12月18日号より抜粋