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「いつかはクラウン」が消える理由

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浅井秀樹週刊朝日
クラウン=トヨタ自動車提供

クラウン=トヨタ自動車提供

 トヨタ自動車の高級車「クラウン」は現行型でセダンが終了し、次期型はSUV(スポーツ用多目的車)風となる。朝日新聞など各紙が報じた。自動車評論家の国沢光宏さんは「次のクラウンはSUVっぽくなると、ディーラーに伝達がいっているようです」と話す。

 最近は車高が高く室内空間が広いSUVに人気が集まり、車高が低く側面衝突でも不利なセダンの販売は低迷している。日本自動車販売協会連合会の統計(登録台数)によると、クラウンの売り上げのピークは1990年の約20万8千台で、昨年は約3万6千台まで落ち込んだ。ちなみに昨年、軽自動車以外で最も売れたのはトヨタのプリウスで約12万6千台だった。

 クラウンは、55年に初代が投入されたトヨタの旗艦車。83年に7代目が投入された時のキャッチコピー「いつかはクラウン」で、社会的に成功した人が乗る憧れの車となった。

 2018年投入の現行型(15代目)に乗ったことがある金融コンサルタントの高橋克英マリブジャパン代表は、「デザインがかっこよく、顔の部分に存在感がある。完成されたモデルです」と評価する。

 ただ、クラウンはトヨタの高級ブランド「レクサス」と競合することもあり、高橋さんは「いつかはクラウンでなく、セダンに関してはレクサスで、というメッセージでは」とみる。

 一方、国沢さんは、水素燃料電池車「ミライ」がクラウンセダンの後継車とみている。調査会社・カノラマジャパンの宮尾健代表も、「ミライはあえて新型をセダンの形で出してきている。ミライがクラウンの進化形」と言う。

 クラウンは、タクシー、公用車や社用車としても使われている。ただ、宮尾さんによると、タクシー用の「クラウンコンフォート」はワゴン型の「JPN TAXI」(ジャパンタクシー)に移行が進む。公用車や社用車も「アルファード」などのワンボックスカー、トヨタの最高級車「センチュリー」、レクサスとなり、クラウンの出番がなくなってきているという。

 日本も2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指している。ガソリンなどを燃料とする車はいずれなくなる。往年の名車が今後も消えていくのは間違いない。(本誌・浅井秀樹)

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