司馬遼太郎賞に佐藤賢一さん『ナポレオン』 次は第二次世界大戦テーマに挑戦 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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司馬遼太郎賞に佐藤賢一さん『ナポレオン』 次は第二次世界大戦テーマに挑戦

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西岡千史週刊朝日
佐藤賢一さん(C)朝日新聞社

佐藤賢一さん(C)朝日新聞社

 第24回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)が27日発表され、作家の佐藤賢一さん(52)の『ナポレオン』(全3巻、集英社)に決まった。賞金は100万円。佐藤さんは電話インタビューで、「いつか司馬遼太郎さんのような作品を書きたい、と思って頑張ってきた。司馬さんの名前を戴いた賞をいただけたことは光栄です」と喜びを語った。

 佐藤さんは1968年生まれ。東北大大学院で西洋史を専攻した。1993年『ジャガーになった男』で小説すばる新人賞を受けてデビュー。99年『王妃の離婚』で直木賞。14年『小説フランス革命』で毎日出版文化賞特別賞を受けた。

 司馬賞の受賞作『ナポレオン』は、フランスの英雄の起伏に富んだ一生を描いた長編小説。外国の文献を大量に読み込み、新しい人間像を描いた。

 選考委員の一人、井上章一さんは「ナポレオンは劣等感のかたまりだった。『英雄ナポレオン』のちっぽけな部分に筆が及んでいる。最後はホッとする読後感だった」と評した。

 佐藤さんが次の小説のテーマに考えているのが、司馬さんが小説の主たるテーマに据えることがなかった第二次世界大戦だ。

「歴史というのは対象との距離が難しい。司馬さんの時代はまだ、歴史小説として第二次世界大戦は扱いにくかったと思う。まだデリケートなテーマだが、何とか書ける時代になったのかな、と」(佐藤さん)

『ナポレオン』は単行本で全3巻、『小説フランス革命』にいたっては単行本で全12巻。次回も大部の作品になりそうだ。

「司馬さんの小説を読んで育ったので、長いものをつい書いてしまう。次も長くなる気がします(笑)」と佐藤さんは意気込みをのぞかせる。

 贈賞式は来年2月13日、大阪市のNHK大阪ホールで催される。司馬遼太郎フェローシップに選ばれた尾道市立大学の畠田桜和さんには奨励金30万円が贈られる。

 同日は「『胡蝶の夢』-新型コロナ禍を考える」をテーマにシンポジウムを開催。国際日本文化研究センター准教授の磯田道史氏、大阪大学大学院心臓血管外科教授の澤芳樹氏、作家の澤田瞳子氏、医療漫画『JIN ―仁―』の作者として知られる村上もとか氏が語り合う。

 応募は往復はがき(1名で1枚)に、住所、氏名、電話番号を記入のうえ、〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号 司馬遼太郎記念財団 菜の花忌係まで。申し込み多数の場合は抽選。締め切りは2021年1月13日(水)当日消印有効。参加費1000円。今回の定員は700人で、状況により定員が変更になる可能性がある。
(本誌 西岡千史)

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