相手と自チームの戦力を分析した上で、劣っている部分を何で埋め、逆に勝っている部分をどうやって最大化するか。それしかない。

 2013年に楽天が日本一となってから、昨年まで7年連続でパ・リーグが日本一となっている。今年もソフトバンクが圧倒するようなら、セもDH制導入などの議論もまた出るだろう。

 戦術的に投手交代の妙を見たいのであれば投手が打席に入ったほうがいいし、逆にレベルの高い選手を作るという観点ならDH制があったほうがいい。これは球界の中で大きく意見が分かれるところ。私個人としても答えは見つかっていない。

 日本シリーズが終われば、FA選手の申請期間に入る。球界を代表する選手も資格を有している。FAは選手の権利である。自分の可能性を広げる意味で、新しいチームに行くことを考えるのか、それとも、自分の居場所が確約されているチームで、さらに腕を磨くのか。どんな決断をするにせよ、周りに左右されることなく、自分の将来をイメージした上で決断してもらいたい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2020年12月4日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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