※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)
写真はすべてフットマインド提供(週刊朝日2020年11月20日号より)
写真はすべてフットマインド提供(週刊朝日2020年11月20日号より)

「コロナ禍では自由に外を出歩くことが難しく、うつ病の発症率も増えたと言われます。歩行機能の低下は、これまで高齢者の問題と考えられてきましたが、いまは社会全体が“プレ老人”に近い状態を経験している。そうした状況下で、ウォーキングの重要性はますます高まっています」

【写真】足にいい靴の選び方と正しい履き方のポイントはこちら

 こう話すのは、久道勝也医師だ。専門は足病医学。日本では耳慣れない医療分野だが、足を一つの“臓器”と捉え、手術や投薬など様々な方法で足の治療にあたる。

 久道医師のもとを訪れる患者は、子どもからお年寄りまで幅広い。年老いてもフルマラソンを走れるような人もいれば、若くても運動不足ですぐに息切れしてしまう人もおり、すべての人に同じ歩き方は勧められないとする。

 あえて理想を挙げてもらうと、「その人にとって痛みやストレスがなく、疲れない歩き方」だという。だからこそ、「正解はないので、自分に合った歩き方を探っていただきたい」(久道医師)。

 ウォーキングの習慣がない人は、いったい何を意識すればいいのか。

「『1日○万歩』といった目標を立てると、それに縛られて苦行になりかねません。近所を1日5分程度でもいい。まずは好きな場所を好きなように歩いてみるのがいいでしょう」(同)

 無理せず気楽に。たしかに初心者にとっては、大事な心構えのようだ。

 ある程度歩く習慣がついてきたならば、より運動効果を高めてウォーキングに励みたいと考える人も多いにちがいない。そんな場合は、スポーツ用品メーカーのアシックスが唱える「究極の歩き方」に挑んでみてはどうだろう。

 キーワードは「ファストウォーキング」。つまり“はや歩き”の勧めだ。

 一般的な人の歩行速度は時速4~5キロくらいだが、少しスピードをつけて男性なら時速7キロ、女性なら時速6キロを目安に歩けることが理想だというのだ。

「ウォーキングの場合、ゆっくり歩いてもエネルギー消費量はさほど大きくありません。しかし、スピードを上げることでエネルギー消費も増えていく。ランニングよりも足への負担が少なくて済む一方、ランニングと同程度の運動効果が得られるのは大きなメリットです」(アシックス広報室の伊藤歩さん)。同社は、立命館大学スポーツ健康科学部の教授と共同で、ファストウォーキングの運動効果についてさらに研究を進めている。

次のページ