かりに時速7キロで歩いた場合、1分間に進む距離は120メートルほどになる。実践してみると相当なスピード感だ。慣れないとなかなか難しい面があるものの、ランニングに比べて着地の衝撃が小さく、故障リスクも抑えられる。足のかかとから着地して、親指の付け根で蹴るようなイメージが大切だという。

「歩行の場合、ランニングと比べてけがをする可能性は低い。それでいて心肺機能は高まりますし、心疾患や糖尿病、高血圧などの発症予防にもなります」。前出の久道医師もこのように話している。

 理想的なスピードに加え、歩くときの姿勢にも注意したい。

 まっすぐ前を見て、背筋を伸ばして歩くことを意識してみる。なるべく横の揺れを抑えると、フォームも美しくなる。骨盤をしっかりと回転させながら歩くイメージだ。さらに、肩の力を抜いてひじを後ろに引くことを意識するといいという。(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年11月20日号より抜粋