小中高校の教師が悩みを共有するサイト「心の職員室」を運営するNPO法人「共育の杜(もり)」は、東京、大阪、福岡など、4月7日に緊急事態宣言が出された7都府県の教師を対象にしたアンケート調査を7月に行った。

 約1200人の回答からは、コロナ禍に苦しむ現状が浮かび上がった。

「共育の杜」の藤川伸治理事長がこう話す。

「副校長の7割、主幹教諭の6割程度が過労死ラインの月80時間(週20時間)を超える時間外労働を強いられていた。さらに、教員を除く地方公務員を対象に同時期に調査したデータと比較して『憂うつだ』『ひどく疲れた』といったストレス反応を示す割合が2倍から3倍超という結果になりました」

 厳しい環境下で若い教師たちは孤立しがちだ。

「コロナ禍以降、新しく赴任した教師の歓迎会もない。感染防止のため、先輩教員が飲みに誘って悩みを聞くどころか、昼食すら一緒に食べられない。混乱する現場で相談相手もなく、新人や経験の浅い若手はストレスをためている」(都内の教師)

(本誌・永井貴子)
 
週刊朝日  2020年11月20日号より抜粋