市場シェアが約1割の格安携帯への乗り換えが進めば、大手も値下げで対抗して料金全体が下がると期待される。それだけに「認知度が低い格安会社を知ってもらう必要がある」(調査会社MM総研の横田英明常務)。

 総務省はこれを後押しするように10月27日、「公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を公表。格安会社が大手のネットワークを使う際のデータ接続料の引き下げなどを示した。

 さらに携帯会社の乗り換えを促すため、「eSIM」の普及に努める。通話などに欠かせないSIMカードは、携帯会社が替わると入れ替えなどが必要で手間もかかる。eSIMは端末に組み込まれているので、入れ替えなどがいらない。

 ただ、大手の料金値下げは喜んでばかりもいられない。値下げのための原資を捻出するため、設備投資などを減らすこともあり得るからだ。地方では販売店の見直しも進みかねない。

 値下げ問題の落としどころから、目が離せない。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年11月13日号