韓国国際文化交流振興院が世界16カ国の韓流ファンを対象に行ったアンケートでは、「好きな俳優」で2018、19年と堂々の1位に。特に中国での人気はすさまじく、中国で人気の尺度となる“中国版ツイッター”Weiboのフォロワー数は2850万を超える。これは、韓流俳優の中で断トツの数字だ。また、彼氏をイ・ミンホの顔に“無理やり”整形させる“イ・ミンホ化”が流行したことも。一方、日本でも彼の除隊を心待ちにしていた。韓流専門雑誌界で「表紙にできる俳優がいない」と言われ続けて久しいが、イ・ミンホを表紙にすれば確実に売れる。韓流界の救世主として期待している。「愛の不時着」で沸いた第4次韓流ブームをさらにもり立ててくれるに違いない。

 今年6月、“韓国のゴールデングローブ賞”と呼ばれる百想芸術大賞の授賞式が行われた。「愛の不時着」のヒョンビン、「梨泰院クラス」のパク・ソジュンを抑え、テレビ男性最優秀演技賞に輝いたのがカン・ハヌル(30)だ。演劇俳優だった両親の元に生まれ、高校生の頃に舞台の道へ。ミュージカル界の若きホープとしてならし、テレビ界に進出した。
「ひとことで言うなら、玄人好みの味のある俳優。カメレオンのように、どんな役にもなりきってしまう」(安部さん)

 時代劇「麗~花萌ゆる8人の皇子たち~」の王位継承順位8位の“高麗時代最高の男”、映画「善惡の刃」では冤罪で10年間収監されていた青年など、幅広い役をこなす。日本で6月にスタートしたドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」の原作の映画「ミッドナイト・ランナー」では、理論派警察大学生を演じ、パク・ソジュンとバディを組んだ。
 演じる上でのタブーがないことも強さの秘密だ。映画「二十歳」では超オクテな妄想男子を演じ、お尻を出して走ったと思えば、自慰行為をも見せている。
 前出の「百想芸術大賞」で大賞を受賞した「椿の花咲く頃」では、地方都市の交番の警官に変身。韓流ドラマ史上最高の純朴キャラと称された。
「コテコテの方言を使う田舎の純朴青年役。シングルマザーのヒロインを一途に愛する姿にキュンキュンしました」(40代韓国女性)
 安部さんは言う。

「演技力だけでなく人柄の良さも人気。日本で言えば、星野源や田中圭のようなイメージです」

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