「毒親と関係修復は無理。きちんと捨てる作業を」精神科医・斎藤環さん 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「毒親と関係修復は無理。きちんと捨てる作業を」精神科医・斎藤環さん

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精神科医・斎藤環さん (c)朝日新聞社

精神科医・斎藤環さん (c)朝日新聞社

カウンセラーの川島崇照さんによる毒親チェックリスト (週刊朝日2020年9月25日号より)

カウンセラーの川島崇照さんによる毒親チェックリスト (週刊朝日2020年9月25日号より)

 毒親に育てられた子どもが、毒親になる――。そんな負の連鎖が今、当事者たちを悩ませている。毒親連鎖を断ち切るにはどうすればいいのか。精神科医・斎藤環さんに聞いた。

【あなたは大丈夫?毒親チェックリストはこちら】
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──毒親連鎖の起きる原因はどういったところにあるのでしょうか

広く見ると『女性らしさ』を受け継いでいくという流れの中に連鎖は含まれてくると思います。母親が娘を女性らしく育てるということは、らしさの要求とかを全面的に受け入れるように子どもを方向付けることに他ならない。母親が持っている女性らしいあり方のひな型が強すぎたり、女性らしさの方向付けを持ちすぎたりしていると、必然的に過干渉にならざるを得ない

──夫婦関係のあり方も影響しますか

母親が夫との関係に満足できないと、必然的に母親がわが子にしがみつき、共依存的な関係から満足を得ようとするため、過剰に子どもに密着し、同一化するという傾向が強まりやすくなります。健全な夫婦関係が毒親予防には一番だと思います

──以前と比べて毒親の特性は変わっていますか

今の40、50代の毒親は団塊の世代と比べると関係がドライな印象。友達関係のようなフラットな関係性を持っている。自分が思っているような方向性で育っているうちは全面的に承認を与えますが、そこから外れてしまうと執着しなくなる。自己犠牲にならず自己中心性が高まるという傾向は、それ自体は良い傾向だと思っています。何が何でも子どもにしがみつくというのは不健全ですから

──毒親に育てられた人が治療する上での注意点などは

トラウマというのは忘れられないし、傷は簡単には消せない。例外もあるかもしれませんが、ほとんどの場合、修復は無理です。潔くあきらめて関係性を希薄にする、親を捨てる方向で考えるのが一般的になると思います。言うほど簡単ではないので、夫でもパートナーでも協力が必要になります。カウンセリングを受けるのもよいです。親との関係を温存しておくと、抱えている問題からずっと逃れられない。きちんと捨てる作業をしたほうがいいです。

(まとめ/本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2020年9月25日号より抜粋


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