水害から見た「住みたい街」は? リスクが高いのは“新しい開発地” #コロナとどう暮らす 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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水害から見た「住みたい街」は? リスクが高いのは“新しい開発地” #コロナとどう暮らす

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吉崎洋夫,松岡瑛理週刊朝日#ゲリラ豪雨
球磨川が氾濫し、水につかった住宅=熊本県人吉市 (c)朝日新聞社

球磨川が氾濫し、水につかった住宅=熊本県人吉市 (c)朝日新聞社

10年間で河川被害がなかった主な街 (週刊朝日2020年8月7日号より)

10年間で河川被害がなかった主な街 (週刊朝日2020年8月7日号より)

河川の被害が多い街ランキング (週刊朝日2020年8月7日号より)

河川の被害が多い街ランキング (週刊朝日2020年8月7日号より)

 移住するならどこがいいのか? 新型コロナウイルスの感染拡大で生活設計が変わり、移住を考える人も多いが、今回は「河川被害」の観点から見てみよう。国の公表資料を基にしながら、独自のランキングをまとめた。

【河川の被害が多い街ランキングはこちら】

 今年も各地で水害が住民を襲っている。国土交通省は7月17日、不動産の売買や賃貸契約の際に水害リスクを説明するよう不動産業者に8月28日から義務づけると発表した。編集部では同省が公表している「水害統計」を基に、全自治体の10年間(2009~18年)の河川による被害状況をまとめた。

 福山市(広島県)では過去10年間で毎年水害が出ていた。瀬戸内海に面し、中心部には一級河川の芦田川が流れ、中小河川も多い。市の担当者は「地形の問題がある」という。市には河川の氾濫(はんらん)などによってつくられた平地が多い。水田も多かったが、最近はその場所に住宅が建つようになり、水害が起こりやすくなっているという。

 近年、豪雨が増えていることも水害の多さにつながっているようだ。本流の流れが強まることで支流の水がせき止められ、支流の水位が急激に高まる現象が起きやすくなっている。

「河川が決壊するというよりは、排水ができなくなることで内水氾濫が起きている。河川の土砂や樹木を取ることで排水能力の向上に取り組んだり、支流から本流に強制的に排水するポンプを設置したりしているが、被害が出ている」(市担当者)

 同じく毎年被害を出している舞鶴市(京都府)は若狭湾に面した街だ。大雨だけでなく、台風などの高潮によっても被害が出ている。

「堤防強化などハードの整備は行っており、川の氾濫被害は少なくなっているが、今は内水氾濫が起きる。最近の雨は尋常ではなく、対策をしても被害が出てしまう。次の対策を考えないといけない」(市担当者)

 災害リスク評価研究所の松島康生代表は「地質や地形、水害の歴史を見たほうがいい」と指摘する。かつて河川があった「旧河道」や、過去にたびたび氾濫を起こした「氾濫平野」、その他にも「埋め立て地」「くぼ地」「谷形状」などは水害が起きやすい。

「近年開発された場所は注意が必要だ。昔、氾濫が起きていたからこそ開発されなかったということが多い。高齢者施設がそうした場所に建てられることも多く、立地は注意すべきです」

 反対に、水害が出ていない主な街をまとめた。千代田区(東京都)では08年を最後に水害が起きていないが、区の担当者は「都による護岸工事や下水能力の強化などがあるだろうが、被害が出ていないのは偶然だ」と見る。いちき串木野市(鹿児島県)では昨年、大里川が決壊し被害が出た。いつどこで被害が出てもおかしくないと見たほうがよさそうだ。

 ただし、「昔から人が住んでいる場所や神社仏閣の周辺などは水害が及ばない場所であることが多い」(松島氏)。参考にしてほしい。(本誌・吉崎洋夫、松岡瑛理)

週刊朝日  2020年8月7日号


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