監督 ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ/TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中/125分 (c)2018 HERBX FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH AND SEVENPICTURES FILM GMBH
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監督 ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ/TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中/125分 (c)2018 HERBX FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH AND SEVENPICTURES FILM GMBH
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 東西冷戦下の1979年に監視国家であった旧東ドイツから、気球で脱出したふたつの家族8人の実話をドイツで映画化した「バルーン 奇蹟の脱出飛行」。実際の家族の証言をもとに入念な時代考証をしたという。ドイツ統一30周年の2020年らしい映画。

【「バルーン 奇蹟の脱出飛行」の場面写真をもっと見る】

 1979年の夏。東ドイツの電気技師ペーター(フリードリヒ・ミュッケ)とその家族は、手作りの気球に乗って西ドイツを目指すが、思わぬ誤算に見舞われ、国境まで数百メートルの地点に不時着してしまう。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、準備に2年を費やした計画の失敗に落胆するが、妻や子供たちに背中を押された彼は、親友ギュンター(デヴィッド・クロス)の家族も巻き込み、新たな気球による脱出を決意。

 ギュンターが兵役を控えているため、残された時間はわずか6週間。ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、国家の威信をかけて捜査をする秘密警察が間近に迫っていた……。

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
トンネルを掘り、壁を越えながら撃たれるリスクを背負って西側へ脱出する恐怖を励ます自由への憧れ。いろいろな脱出劇を見てきたけれど、一度の失敗にめげず、再挑戦するこの気球組の勇気とガッツには感動させられた。

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