「ヘッドホン難聴」治療できるのは発症直後だけ 三つの予防策とは? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ヘッドホン難聴」治療できるのは発症直後だけ 三つの予防策とは?

山内リカ週刊朝日#ヘルス
聴力の状態をチェックできるWHOのアプリ(HPから)

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(上から)ノイズキャンセリング機能付きイヤホン「WF-1000XM3」(ソニー)、骨伝導タイプの「AEROPEX」(After Shokz)、ノイズキャンセリング機能付きヘッドホン「WH-1000XM3」(ソニー) (撮影/山内リカ)

(上から)ノイズキャンセリング機能付きイヤホン「WF-1000XM3」(ソニー)、骨伝導タイプの「AEROPEX」(After Shokz)、ノイズキャンセリング機能付きヘッドホン「WH-1000XM3」(ソニー) (撮影/山内リカ)

「耳から入ってきた音の振動は、内耳にある有毛細胞で電気信号に変換されて脳に伝わり、音として認識されます。この音を感じるセンサーである有毛細胞は、ある一定以上の大きな音を聞き続けると傷ついて、やがて壊れてしまう。その結果、難聴になります」

 問題は、両耳の有毛細胞が少しずつ、かつ同時に壊れていくので、早期は気付きにくいという点、そして有毛細胞は一度壊れると再生しないため、発症したら治らないという点だ。

 この難聴の怖さを「真綿で首を絞めるように、じわじわと悪くなっていく」と表現するのは、日本橋大河原クリニック(東京)の大河原大次院長だ。

「いちおう治療法はあって、ステロイド薬や血管拡張薬、ビタミンB12製剤などを用いていきますが、これらの薬で効果が出るのは、難聴になりかけた直後、1~2週間までです」

 となると、いかに早く難聴に気付くかが鍵となる。大河原院長が言う気付きのポイントは、「ヘッドホンやイヤホンを使っていて、耳鳴りや耳閉感(耳が詰まった感じ)が1、2日続く」で、心当たりがあったらすぐに耳鼻科を受診する。耳鳴りと難聴とは一見関係ないように思えるが、実は難聴の一つの症状で、初期に表れやすいそうだ。

 また、ヘッドホン難聴は若い人に起こりやすいが、中高年も無関係ではない。大河原院長は言う。

「加齢性の難聴にヘッドホン難聴が重なると、より大きな音で音楽を聴くようになり、病気の進行リスクが高まります」

 何より大事なのは予防、つまり難聴にならないような音楽の聴き方をすることだろう。小川教授、大河原院長に聞いた予防対策をまとめると、次の三つになる。

■耳や頭が痛くなるほどの音量で音楽を聴かない
■1時間を超えて聴き続けない(聴き続けるときは1時間に1回、10~15分程度耳を休ませる)
■外から入る騒音を抑える機能(ノイズキャンセリング)などが付いたヘッドホンやイヤホンを使用する

「耳が痛い、頭が痛いというのは、その音量は耳にとって危険であるというサインです」(大河原院長)

 WHOは難聴のリスクが高まる音量や時間の目安を示している。それは「80デシベル×1週間で40時間以上」「98デシベル×1週間で75分以上」などだ。ちなみに環境省によると、ファミリーレストランの店内が60~70デシベル、地下鉄の車内が70~80デシベル、パチンコ店の店内が90デシベルだという。


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