安倍応援団の声の大きさや、メディアの報道のされ方によって、多くの人がだまされるのが怖い。

 2017年にテレビのワイドショーは北朝鮮の脅威という報道が過熱し、毎日のように北朝鮮がミサイルをぶっ放すXデーとやらを予測。

 Jアラートを鳴らし、地域によっては道の隅っこに頭を抱えてうずくまる避難訓練もされた。

 ミサイルが飛んできたとき、道の隅っこで頭を抱えるって、誰が考えたのだか斬新すぎる防護方法だが、そんなことをいえないような空気が作られていった。

 そして、その年の秋に、安倍首相は臨時国会の冒頭で「国難突破解散」。北朝鮮の脅威をうたって。

 これらすべてに正しかったことってあるのか? 安倍政権は自分たちを守りたいだけでしょ。

 軟弱地盤の改良で、いくらかかるかわからない辺野古の新基地も、怪しい。

週刊朝日  2020年7月17日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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