「今や日本では公務員が上流」…三浦展が説く「新・格差論」 (3/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「今や日本では公務員が上流」…三浦展が説く「新・格差論」

このエントリーをはてなブックマークに追加
首藤由之週刊朝日
消費論を語る三浦展氏。予定されていた講演がすべてキャンセルになるなど同氏も被害者の一人だ

消費論を語る三浦展氏。予定されていた講演がすべてキャンセルになるなど同氏も被害者の一人だ

「『中の中』までいったら、昔の感覚でいえばちょっとアッパーな気持ちになれる、そういう時代になりつつあるのかもしれません」(同)

 1億総中流時代は「中の中」が6割程度と断トツだったが、下流化がどんどん進み、社会全体が下方向にシフトダウンしているということなのか。

 三浦氏は、このほど上梓した『コロナが加速する格差消費』(朝日新書)の中で、新しい格差論とそれに基づく分析結果を論じている。同書は、三菱総合研究所が毎年行っている3万人を対象にした大規模調査「生活者市場予測システム」の最新の結果をもとに、世代ごとに階層意識や消費意識を探るものだが、格差論でいえば同書での「公務員」という職業に対する分析が興味深い。

 どの世代でも男性は7割以上、女性は7割弱から8割強が「中の中」以上と答えている。特に1973~84年生まれの「氷河期世代」で夫婦ともに公務員である人は89%と9割近い人が「中の中」以上と答えたという。今や日本では公務員が上流なのだ。

「つぶれなくて利益やコストという観念もない、相対的に高収入で退職金も年金も高い、これだと、そうなっちゃいます。最盛期のJALみたいなものです」(同)

 公務員と真逆の結果が出たのが同世代の非正規雇用の人々だ。この世代は就職氷河期をくぐってきているが、男性の非正規は「中の下」と「下」の合計が75%を占めた。

「公務員を最近『上級国民』と呼ぶ傾向がありますが、氷河期世代の階層意識を見ると、対する非正規雇用の人たちは長期間続いた不況の中で、まるで『下級国民』のように扱われ続けたと見ることができます」(同)

 二極化の結果は人々の消費行動にも表れる。

 例えば自動車。三浦氏がよく使う言葉に「いつかはクラウン」がある。かつては階層アップと共にカローラから最後のクラウンまで乗る車もグレードアップした。それを表すトヨタ自動車の有名なキャッチフレーズだ。

「それが今では、明らかに上と下に分かれています。2千万円以上の外国車がどんどん売れる一方、数が出るのは軽自動車やリッターカーばかりです」(同)


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい