田原総一朗「日本の大企業は10年ももたない。危惧するこれだけの理由」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「日本の大企業は10年ももたない。危惧するこれだけの理由」

連載「ギロン堂」

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

(イラスト/ウノ・カマキリ)

(イラスト/ウノ・カマキリ)

 たとえば、トヨタ、日立、三菱UFJ銀行、パナソニックなどのメイン研究所は、日本ではなく、いずれもシリコンバレーにある。なぜか。

 それぞれの企業の幹部に問うと、スタンフォード大、ハーバード大、MITなどの人工知能研究者は、日本には来てくれないのだという。

 理由は二つ。一つは、ヨーロッパや中国だと2千万円以上の俸給が出るのに、日本は年功序列制のため、研究者が20代の場合、それほど高い俸給は出ない。もう一つは、日本の経営者は失敗というものを認めない。だが、人工知能の開発は何度も失敗を繰り返さないと成功しないのだ。

 こうした理由で、米国の研究者は日本には来ない。そのため、日本では人工知能の研究者が育たず、日本の会社も研究所をシリコンバレーに設けざるを得ないというのである。

 一方、シリコンバレーの研究所スタッフと日本の本社との間には深い溝があり、誰もが頭を悩ませている。日本の本社の考えでは、研究所のスタッフは思い切ったチャレンジができないという。日本の大企業はいずれもサラリーマン経営者だから、失敗が怖くて守りの経営になってしまうからだ。

 東京一極集中で、ほとんどの地方自治体が衰退している。20年たつと、地方の多くの中堅都市が消滅してしまう。政界、財界の幹部たちがいずれも強い危機感を抱いているのだが、なぜか積極的な取り組みが行われていない。嘆いているだけではなくて、われわれ自身が積極的に取り組まなければならない。

週刊朝日  2020年6月5日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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