「調査の後に本格化したイベントの中止や出社禁止などに伴う国内消費の冷え込みなどの影響を考慮すると、すでに8~9割の企業に影響が出ているはずだ」

 新型コロナウイルスに関連する中小企業の倒産や経営破綻も出始めており、日本では経済悪化のステージが、自国内での感染拡大による企業活動への打撃に突入したことを示した。

 一方、米国のトランプ大統領は新型コロナウイルスに対応する政権内の責任者にペンス副大統領を指名するなど水際対策を本格化。「米国人へのリスクは非常に低い」と強調した。

 それでも、ニューヨーク株式市場は下げ止まる気配を見せず、27日は主要企業でつくるダウ工業株平均が前日比1190ドル安と過去最大の下げ幅を記録した。さらに翌日の日経平均株価も、一時2万1千円を割り込む展開となるなど、株価の急落が連鎖する事態に陥った。

 今後、米国内での感染拡大が現実化すれば、中国に続き、世界経済の牽引(けんいん)役を失うことになりかねない。日本経済にも景気悪化の圧力が跳ね返ってくる。(本誌・小島清利)

週刊朝日  2020年3月13日号