逮捕直前に朝日新聞のインタビューを受けていた槇原敬之容疑者=2月6日(C)朝日新聞社
逮捕直前に朝日新聞のインタビューを受けていた槇原敬之容疑者=2月6日(C)朝日新聞社

 覚醒剤と危険ドラッグ「ラッシュ」を所持したとして、覚醒剤取締法違反(所持)と、医薬品医療機器法違反(同)の疑いでシンガー・ソングライター槇原敬之(本名・範之)容疑者(50)が警視庁に逮捕された事件。希代のヒットメーカーの再度の過ちに、テレビ各局はイメージソングを差し替えるなど対応に追われている。

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「関西のテレビ局は槇原容疑者による社歌の扱いに頭を悩ませているし、某キー局は番組冒頭で流れるテーマソングが差し替えになるなど大混乱」(テレビ局芸能デスク)

 本誌が既に報じているが、事件の端緒は2年前にさかのぼる。

 槇原容疑者は2018年3月30日に東京都港区海岸のマンションの1室で指定薬物の亜硝酸イソブチルを含む液体64・2ミリリットルを所持し、同年4月11日には同じ部屋で覚醒剤0・083グラムを所持した疑いだ。

 このマンションには当時、槇原容疑者と共に、所属していた芸能事務所関係者の男性(43)が住んでおり、男性は18年3月16日と30日に覚醒剤を所持したなどとして起訴され有罪判決を受けている。

 薬物事件を専門に扱う警視庁組織犯罪対策5課は、その後の捜査で槇原容疑者も関与した疑いが強いと判断し、13日午後に渋谷区神宮前の自宅で逮捕したというわけだ。

 そもそも警視庁は2年前の事件をなぜこのタイミングで立件したのだろうか?

「実は1999年の最初の逮捕以降、槇原容疑者をずっとマークしていたんだ。組対5課では一度逮捕した人物を定期的に行動確認して動きがおかしければ、24時間体制で監視する。2年前の関係者の男性の事件との接点を裏付けるものがあるから逮捕している」(捜査関係者)

 警視庁組織対策5課にとっては厚労省麻薬取締部がライバル組織で日々手柄を競い合っている。社会的反響が大きい芸能人やスポーツ選手などをターゲットにさまざまな手段で事件の種になる情報を収集しているという。

「一番多いのはタレコミ。S(スパイ)も使うなど端緒をつかんだら徹底してマークする。ゴミもあさってブツを入手することもある。ルートによって相関図を作っているが必ず芸能人の名前が入っている」(警視庁関係者)

 捜査関係者によれば、2年前の事件で槇原容疑者の関係者男性の自宅から押収された覚醒剤が入っていた袋から槇原容疑者の指紋が検出されたという。また、関係者の男性は覚醒剤について、「マッキーにもらった」という趣旨の供述をしているという。

 槇原容疑者の口から事件について語られることが果たしてあるのだろうか。(本誌・野田太郎)

※週刊朝日オンライン限定記事