左から、肛門で検温中の、記者の知人の保護犬(推定12~13歳)。記者のわんこ仲間の愛犬(豆柴)。全体に白髪が増えてきたものの、まだまだ元気な11歳
左から、肛門で検温中の、記者の知人の保護犬(推定12~13歳)。記者のわんこ仲間の愛犬(豆柴)。全体に白髪が増えてきたものの、まだまだ元気な11歳
犬の平均寿命の推移 (週刊朝日2020年2月14日号より)
犬の平均寿命の推移 (週刊朝日2020年2月14日号より)
食べさせてはいけない食材(獣医師の兵藤さん監修 週刊朝日2020年2月14日号より)
食べさせてはいけない食材(獣医師の兵藤さん監修 週刊朝日2020年2月14日号より)

 わが子(犬)を少しでも長生きさせたい。ペットと暮らす誰もが願うことです。そのためには、食事に運動にしつけ。基本的なことをしっかり守り、愛情を注ぎながら過ごせば、自然と長生きしてくれるようです。

【気をつけよう!犬に食べさせてはいけない食材はこちら】

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 ペットの健康面をしっかりとケアする傾向が以前より強くなったこともあってか、犬の平均寿命は延び、人間と同様に健康寿命が重要視されるようになってきた。

 動物病院の数も年々増えている。なかには内視鏡やCT、MRIといった、人間ドックで使うような医療機器を導入する病院もある。動物用の抗がん剤の種類も多くなっており、犬も高度な医療を受けられるようになった。

 今、獣医療の世界で注目されているのが「再生医療」や「細胞治療」だ。「富士フイルム」と「アニコム ホールディングス」が2016年に設立した合弁会社「セルトラスト・アニマル・セラピューティクス」では、細胞治療の実用化に向けた臨床研究が進んでいる。すでに「慢性腸症」や「乾性角結膜炎」の治療では実用化されているといい、今後、「関節炎」「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」「骨折」への治療が期待される。

 おなかが緩くなってしまう「慢性腸症」の場合、腸の炎症がおさえられれば必要な栄養がとれるようになり、排便も改善する。食べられるようになれば、おのずと健康寿命も延びる。

 アニコムの獣医師、兵藤未來さんは、こう話す。

「これまで治らないといわれてきた骨軟骨症も、組織を再生することができれば治せる可能性が高くなります」

 気になるのは医療費だ。人間と違い、ペットは国の健康保険がきかない。

 総務省の家計調査によると、ペット関連の世帯当たり年間支出金額では、動物病院代が約3割を占めている。手術などでの高額な医療費に備え、民間の保険を利用するのも一つの方法だ。

 00年代に入り、動物の保険を扱う会社が増えてきており、現在は少なくとも十数社ある。既存の保険会社がペット用の商品も作っているケースが大半だが、なかにはペット専門の保険会社もある。

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