「少年アシベ」の漫画で知られる森下裕美氏は「私は、もう描き上げました」といって、今回のために書き下ろした作品のキャラクターを見せてくれた。担当したテーマは「海の豊かさを守ろう」。人気キャラクターのゴマアザラシの「ゴマちゃん」も特別に登場するという。

「事前に資料はもらったんですけれど、テーマが大き過ぎて、情報をすべては入れられない。楽しく、思っていることを素直に描きました」(森下氏)

「ドーベルマン刑事」の作者、平松伸二氏が担当したテーマは「平和と公正をすべての人に」。現在は仕事を少し休んでいるというが「8枚くらいなら」と引き受けたそうだ。

「私の得意なのは血生臭い漫画ですが、今回は血を流してはいけない(笑)。ワールドカップで感動を日本中にもたらしたラグビーネタで描きました」(平松氏)

「Dr.コトー診療所」の山田貴敏氏は「すべての人に健康と福祉を」というテーマを担当した。

「私の担当は医療です。アフリカには5歳未満で亡くなる子供たちの割合が高い国がある。離島医療と世界の医療が受けられない世界の人たちを結びつけて漫画にしていこうと思いました」(山田氏)

 SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択されたが、その活動目標を理解している人はまだまだ少ない。

 漫画「怨み屋本舗」で知られる栗原正尚氏はこう話す。

「SDGsというのはなんなのか、まだ認知されず、ボンヤリとしている。このボンヤリとしたものをこれから固めていくような活動になると思っています」

 山田氏も「まずは知ってもらうことから始まる。私たちの漫画で、市民を巻き込んだ大きな流れにできたら」と話した。

 発起人の浜田ブリトニー氏の夫でお笑いタレント「いわみん」こと岩見透氏も、会場に姿を見せた。

「私は福祉の仕事を5~6年くらいやっていて、介護福祉士の国家資格も持っています。具体的な話はまだないですが、お笑いSDGsという活動があれば、お力になりたいですね」

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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