電撃脱退は必然の幕引きだったのかもしれない。1月23日。欅坂46はホームページ内でエース・平手友梨奈(18)の脱退、織田奈那(21)、鈴本美愉(22)の卒業、佐藤詩織(23)の活動休止を発表した。平手は同日に放送されたTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」の自身が担当しているコーナー「GIRLS LOCKS!」で、脱退について言及した。
「その件については、今は話したいと思わないので、いつか自分が話したいと思った時にどこか機会があればお話しさせていただこうかなと思っております」
異端のアイドル集団だった。デビューシングルの「サイレントマジョリティー」で強烈な衝撃を与えると、「不協和音」、「ガラスを割れ」、「黒い羊」、「避雷針」など独特の世界観で若者たちを魅了した。社会や組織への同調圧力に反発し、自分らしく生きる意味を訴える。鬼気迫る雰囲気のパフォーマンスで「笑わないアイドル」として認知され、不動のセンターを務める平手はカリスマ的存在だった。
個性的な主張に「信者」と呼ばれる熱烈なファンが多い一方、アンチも少なくなかった。テレビ東京のバラエティ番組「欅って、書けない?」は番組の回を重ねるごとに、「メンバーのやる気がなくて酷(ひど)い」、「主要メンバーが今日も欠席か。握手会での態度も悪いしプロ意識が低すぎ」などネット上で批判の声が目立った。
欅坂を長年見続けてきた雑誌編集者は、
「欅坂の売り出し方を批判する人もいますが、異色のスタイルを築いたから人気を集めたともいえる。全否定するのはおかしいと思います」
と前置きした上で続けた。
「ただ、平手や鈴本は早い段階で少し休養させてあげれば結果は変わっていたのかもしれない。もともと乃木坂にあこがれて入ってきた子たちで、楽屋では笑顔を絶やさず純粋なんです。ただ、欅坂のスタイルを作る上で感情を押し殺す必要があった。心身のバランスを取るのが難く、そんな器用に気持ちを切り替えられない。『態度が悪い』と批判されるのは酷ですし傷つきますよ」