防犯カメラに映る青葉真司容疑者 (c)朝日新聞社
防犯カメラに映る青葉真司容疑者 (c)朝日新聞社
現場となった京都アニメーション第1スタジオ (c)朝日新聞社
現場となった京都アニメーション第1スタジオ (c)朝日新聞社
献花台に供えられた色紙 (c)朝日新聞社
献花台に供えられた色紙 (c)朝日新聞社

 36人が死亡、34人が重軽傷を負った京都市伏見区の「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオの放火殺人事件から5カ月。ガソリンをまいて火を放った青葉真司容疑者(41)は、自身も大やけどを負い、一時は生死の境をさまよったが、現在は同市内の病院でしゃべったり、体を動かしたりできるまで回復しているという。そうなると、気になるのは逮捕の時期だが。

【写真】現場となった京都アニメーション第1スタジオ

 京都府警も11月8日に病院内で事情聴取し、逮捕に向けての準備をはじめているという。

「まず大変なのが準備だ。逮捕すれば、拘置所や警察署での留置となる。青葉容疑者は床に布団では寝られないからベッドを入れないとダメ。なかなか動けないので介助が必要となる。異例のことだ」(捜査関係者)

 事件について青葉容疑者はどんな話をしているのだろうか。

「前代未聞の事件だからね。青葉容疑者は、体力的にはやけどの影響があるが記憶は大丈夫だ。どこでガソリンを買ったのか、どの道を歩いて京アニの第1スタジオに行ったのかなどしっかり話している。動機は『作品をパクられた』と変わりなく言っている。機嫌を損ねると『どうせ死刑や』『もう犯人とわかっているんだからしゃべる必要もない』などと口をつぐむこともある。自分だけが大事、本当にわがままやね。だが、計画的な犯行であること、殺意はしっかり裏付けられるものだと考えている」(同)

 青葉容疑者はやり取りの中で、

「第1スタジオに最初に行ったのは、たくさんの人が働いていると事前に調べていたから。多くの人を殺害できると思った」「ガソリンをまいて火を放ったら、思っていたよりも早く炎が広がりやけどをしてしまった」「京アニのことは、スマホなどで検索して、十分に調べていった」

 などと淡々とした表情で話しているという。

 では、逮捕の時期は近いと見ていいのか?

「できれば年内にしたい。逮捕すれば拘置所などで20日間過ごすわけで、取り調べも一日に少なくとも4、5時間はしなきゃいけない。弁護士も面会に来る。それに耐えうる体力があるか。見ているともう大丈夫と思ったりもする。だが、医師は拘置所がどんなところか、もちろん知らない。判断が難しいと……」(同)

 逮捕が目的ではないが、裁判で事実を明らかにするためにも、着実に司法手続きを進めてもらいたい。(今西憲之)

週刊朝日  2019年12月27日号

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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