とはいえ、民放のテレビ局には壁もある。

「世間的には『もういいんじゃないの』となってもスポンサーがOKを出すかどうか。そこでまだブレーキがかかっている状態だと思います。宮迫さんと亮さん、写真が衝撃的だった『スリムクラブ』以外の復帰は少しずつできてくるのではないでしょうか。この3組のこれからの活動次第ですが、普通のオファーはもうしばらくは厳しいかもしれません」(前出の放送作家)

 騒動によって、吉本興業のギャラ配分の不透明さや契約書を交わしていないなどといった問題もクローズアップされた。岡本社長の会見を経て、大きな変革があったのかと思われるが、社長の1年間の50%減俸処分などはあったものの、首脳陣の人事面での目立った処分は発表されていない。

 ある芸能関係者は言う。

「所属芸人たちには、これで会社が変わってくれるという期待はありました。だけど、時間がたって、世間の目が他のニュースに移っていくとともに、なんとなくうやむやになってしまっていて、『あれ?』といった状況のようです。エージェント契約をした話もあまり聞いたことがないですし、結局元通りといったところがあるみたいです」

 元のままでは、再び「闇」の住民たちのつけいる隙が生まれるのでは。(本誌・太田サトル/三杉武)

週刊朝日  2019年12月27日号

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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