あるある! “きょうだい格差”が招く“争続”実例2つ (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

あるある! “きょうだい格差”が招く“争続”実例2つ

このエントリーをはてなブックマークに追加
森田聡子週刊朝日
※写真はイメージです (Getty Images)

※写真はイメージです (Getty Images)

【ケース】海外留学に借金肩代わり母親が双子の弟を優遇 (週刊朝日2019年11月8日号より)

【ケース】海外留学に借金肩代わり母親が双子の弟を優遇 (週刊朝日2019年11月8日号より)

【ケース】出来のいい兄の息子だけ両親があからさまに溺愛 (週刊朝日2019年11月8日号より)

【ケース】出来のいい兄の息子だけ両親があからさまに溺愛 (週刊朝日2019年11月8日号より)

 親の相続を機にきょうだいが断絶する。相続の現場ではよく聞く話だ。偏った財産分与は骨肉の争いを呼ぶ。意図的だとしても、無意識にそうなったとしても、傷つくのは子ども。“きょうだい格差”が禍根を残した実例をご紹介しよう。

【ケース1】海外留学に借金肩代わり母親が双子の弟を優遇

■海外留学に借金肩代わり、母親が双子の弟を優遇

 会社員の男性(60)は、公務員の父と専業主婦の母の間に生まれ、東京の下町で育った。双子の弟がいる。幼少時から「双子なのだから何でも平等」と育てられた割には、弟ばかりが優遇されていると感じてきた。背景には母親が、甘え体質の弟ばかりを溺愛してきたことがある。

 弟は4浪の末、都内の私立大学に入学。在学中と卒業後の2回、親の援助で海外へ留学している。帰国後は公立高校で教職に就いたが、男性より高い給料をもらっているにもかかわらずキャバクラ通いなどで1千万円近い借金を作り、これも親が肩代わりした。

 2年前に父親が亡くなったとき、男性は母親に「弟の留学費用や借金の分を考慮してくれないかな」と意見したが、母親は「あなたの塾や習い事だって、それなりにお金がかかっているのよ」と猛反発。遺産分割は法定相続分どおり、母親が2分の1、兄弟が4分の1ずつに落ち着いた。

 母親のゴリ押しもあっていったんはこれを受け入れた男性だが、2年を経た今も釈然としない思いを抱き続けているという。

 税理士でファイナンシャルプランナーの福田真弓さんは、自身の相談経験から、この男性のような“きょうだい格差”を訴える事例は少なくないという。

「2年前のお父さんの相続発生時に弁護士や税理士など専門家を交えた話し合いをしていたら、弟さんの留学費用や借金の返済費用は“遺産の先取り”に当たる特別受益とみなされ、この男性はその分多くの遺産を受け取ることができたかもしれません」

 しかし、仮にこの男性が、母親が亡くなった後の二次相続の場で弟の特別受益を主張しても、「残念ながら、認められないでしょう」と福田さん。

 特別受益の認定は、その資金援助(贈与)が「誰の財布から出たお金か」が判断基準となる。弟を溺愛する母親がお金を渡していたとしても、男性の母親は専業主婦で収入がないため、実質的に父親が負担したものとみなされる。つまり、この男性が弟の特別受益を主張するチャンスは、父親の相続時しかなかったのだ。

 さらに今年7月の民法(相続法)改正で状況が変わっているので気を付けたい。遺言があった場合、遺留分の計算対象となる生前贈与は、相続発生時から遡って10年以内のものしか認められなくなったのだ。親の遺言に不満を抱き遺留分の減殺請求をしようとしても、兄弟姉妹の何十年も前の学費や留学費用などはとうに“時効”となっている可能性が高い。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい