元ザ・バンドのロビー・ロバートソン、個性的な歌唱法ついに完成 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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元ザ・バンドのロビー・ロバートソン、個性的な歌唱法ついに完成

連載「知新音故」

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小倉エージ週刊朝日#小倉エージ
●ロビー・ロバートソン『シネマティック』ユニバーサル UICY-15839

●ロビー・ロバートソン『シネマティック』ユニバーサル UICY-15839

 ロビー・ロバートソンが8年ぶりにニュー・アルバム『シネマティック』を発表した。60年代後半に衝撃的なデビューを飾り、76年の解散までロック・シーンに多大な影響を及ぼしたザ・バンドをリードしてきた人物だ。

 ザ・バンドの解散公演を記録した映画『ラスト・ワルツ』の監督を務めたマーティン・スコセッシ作品など、多くの映画の音楽制作に取り組んだ。自ら俳優として映画に出演もした。

『シネマティック』は、二本の映画からインスピレーションを得たという。

 一本はスコセッシ監督による、実在の殺し屋フランク・“アイリッシュマン”・シーランを描いた今秋公開予定の映画で、ロバート・デ・ニーロ主演による『アイリッシュマン』。ロビーはサウンド・トラックを担当。

「曲のアイディアが渦巻き、古い記憶、暴力、美しいもの…そういったものを歌にしたいというアイディアが、映画のように思い浮かんでは、ひとつになっていった。そして、音のあとを追ううち、自然と形ができ始めた」

 その音楽性は、ザ・バンドの重厚さとは対照的に、プログラミングを駆使し、ヒップ・ホップ的な要素を取り入れたもの。ただ、ギターについては彼ならではの個性を発揮している。

 アルバム冒頭を飾る「アイ・ヒア・ユー・ペイント・ハウス」。盟友のヴァン・モリソンとともに聴かせる軽快なナンバーだが、歌詞は、殺し屋を雇うというその世界での隠語、壁を血で真っ赤に塗り替えることに由来するという。

 映画『アイリッシュマン』と、チャールズ・ブラントによるその原作から着想を得たもので、“ストリートの正義”とうそぶき、悪の世界から逃れられずにいる男。“大親分を裏切ったなら最後 もうツキは回ってこない”といった一節も。

 アルバム制作のインスピレーションを得た、もう一本の映画はダニエル・ローアー監督によるドキュメンタリー作品『Once Were Brothers:Robbie Robertson And The Band』。『ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春』(奥田祐士訳)として近年紹介された自叙伝がもとになっているという。


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