「(前略)被災地の復旧は最優先すべきだが、被災地・被災者を政治利用するかのような政府批判ほど無意味なものもない。他の事柄をとりやめたからといって、復旧が早まるわけではない。国たるもの、迅速かつ適切な支援に努めつつ、こういう時こそ予定の国事を粛々と進めるべきでもある」

 20年前、小渕恵三さんは茨城県東海村で臨界事故が起きたから組閣を4日間延期したらしいがね。なんといおうが千葉の台風被害、安倍政権の初動が遅かったことは痛恨のミスである。そして、なぜ閣僚会議を開かなかったかを知らない国民は少ない。

 有本氏のコラムはただひたすらの政権擁護。だからいつも歪(ゆが)んでいる(その前のコラムはヘイトの意味を履き違えてた)。でも、こういうものがネットの政治ニュースにあがったりする。こういうことをほっといたことも、メディアの劣化、ひいては国民の劣化につながっているのではないか?

週刊朝日  2019年10月4日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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