田原総一朗「衰える日本企業が『失敗の博物館』から抜け出すには」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「衰える日本企業が『失敗の博物館』から抜け出すには」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗週刊朝日#田原総一朗
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社

イラスト/ウノ・カマキリ

イラスト/ウノ・カマキリ

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、「失敗の時代」について考察する。

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 吉見俊哉氏(東京大学大学院情報学環教授)が『平成時代』(岩波新書)で、「平成30年間は、失敗の時代であった」と言い切っている。

 1989(平成元)年、世界の企業の時価総額ランキングで、日本企業は上位50社のうち32社を占めていた。1位はNTT、2位が日本興業銀行、3位は住友銀行であった。

 ところが、2018年には同じランキングで、上位50社の中に残っているのは35位のトヨタ自動車だけで、他の31社はすべて消えた。

 上位を占めているのは、アップルやアマゾン、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックなど、米国のIT企業である。なぜ、日本の大手企業は壊滅してしまったのか。

 吉見氏は、山一証券、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行などの金融大手が破綻した理由をわかりやすく解説している。バブルの崩壊である。金融業だけではない。NEC、東芝、富士通、パナソニック、シャープなど電機産業が、どんどん衰退することになった。そして、2010年代には、10年前の約半分の規模に縮んでしまった。

 失敗の第一の要因は、日本の主要な電機産業が、テレビ時代の終焉とモバイル型ネット社会の到来をあまり認識していなかったことであり、もう一つの原因は、グローバルな規模で進んだ水平分業の仕組みに日本企業が適応できなかったことだと指摘している。

 そして、吉見氏は現在の日本の重大問題を、2000年代になって日本社会が上流階級と下流階級に分断されたことだと捉えている。つまり、非正規雇用の人間が約4割に達し、特に就職氷河期以後の世代で急増したというのである。階級社会となり、収入が少ない非正規雇用者は子どもが産めない。これが人口減少の要因になっているというのである。

 吉見氏は、「平成とは、失敗の博物館」だとも決めつけている。

 そして、9月18日付の朝日新聞で、出口治明氏(立命館アジア太平洋大学学長)が「失敗の博物館」を立て直すには「イノベーションが必要だ」と語っている。


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