あとはアプリに食事を記録していけば自動的に糖質量を計算、記録していく。食事の記録は面倒そうだが、カロリーママなら写真に撮るだけだ。

「食事を撮影すると、AIがメニューや量を判定してくれます」と、カロリーママを運営するリンクアンドコミュニケーションの吉松智美氏は説明する。

 写真判定がうまくいかなければ、検索メニューで記録していく。検索候補にはコンビニ商品や外食メニューも網羅されており、記録はサクサク進む。

 食事ごとの自動アドバイスも秀逸だ。科学的根拠に基づいたものだといい、次の食事のおすすめまで教えてくれる。

 カロリーママは食事だけでなく、運動量も記録できる。歩数はスマホの歩数計から自動で取り込み、取り組んだ運動の内容や時間を記録すると、その日の消費カロリーが算出される。糖尿病ケアに必要な食事と運動の管理が、このアプリ一つで可能となっている。

 さて、一口に運動といってもジムのマシンなどを使う筋力トレーニング、ジョギングやエアロビクスのような有酸素運動があるが、どちらの運動も糖尿病ケアにはよいと、佐々木氏は言う。

「内臓脂肪の多い人は、血糖値低下を妨げる、ホルモンに似た物質が体内に増えるのですが、有酸素運動には内臓脂肪を減らす効果があります。また運動することは骨格筋の血糖消費を促して、血糖値を下げてくれます」

 また運動は週1回、長時間ガッツリよりも、20~30分程度を週3回以上取り組むほうが望ましいという。隙間時間にちょこちょこ運動するほうが、より効果的なのだ。そこで紹介するのが、東急スポーツオアシスが運営するアプリ、ウェブジムだ。このアプリには1千を超すトレーニングの動画が用意されている。動画の大半は長さ1分ほど。自宅トレーニング、職場で簡単セルフケア、通勤電車でコソッとできるメニューなどが並ぶ。

「忙しくて定期的にジムに来られない方を対象に、アプリを開発しました」と担当者の竹尾賢二氏は話し、隙間時間の短時間トレーニングに持ってこいのアプリとなっている。

 先に触れたように、自覚症状があまりない中で、食事制限や運動を続けなければいけないのが、糖尿病ケアのつらいところだ。いくら立派な目標を立てても、三日坊主で終わってしまうという方もいるだろう。

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