碓井教授は「ゲゲゲの女房」「マッサン」「まんぷく」の3作品にも注目する。

「マンガ、ウイスキー、インスタントラーメンと、いずれも男性が大成功をおさめた人物で、ヒロインはそれをサポートする役割でしたが、多くの女性視聴者が二人三脚の奮闘を応援したくなる作品でした」

「おしん」の小林綾子、「ふたりっ子」の三倉茉奈と佳奈、「あさが来た」の鈴木梨央など、ヒロインの少女時代を演じる子役もまた、朝ドラの魅力のひとつだ。

<「おしん」の子役時代には毎朝泣かされた記憶があります=50代男性><子役のマナカナちゃんのはつらつとして息がぴったりな名演技に元気をもらいました=50代男性>

「つかみとして非常に重要な存在であることは間違いありません。この子がどんなふうに成長していくんだろうという思いが、リレー形式で演じられるヒロインを見守ることにつながっていく」(碓井教授)

 100作目にあたる「なつぞら」は歴代のヒロインらが続々登場することでも話題を集めている。<優しさにあふれている気持ちのいい作品=40代男性>と、「なつぞら」のこれからに期待する声も寄せられる。

 今秋には通算101作目にあたる「スカーレット」(主演・戸田恵梨香)、そして20年春からは、「マッサン」以来の男性主人公となる窪田正孝主演の「エール」が放送予定。100作は朝ドラの長い歴史にとって、まだほんの通過点のようである。(本誌・太田サトル)

【朝ドラBEST20】(編集部選定、並びは放送順)
「おはなはん」(1966年度)、「雲のじゅうたん」(76)、「おしん」(83)、「はね駒」(86)、「ふたりっ子」(96)、「あぐり」(97)、「ちゅらさん」(2001)、「芋たこなんきん」(06)、「ちりとてちん」(07)、「ゲゲゲの女房」(10)、「カーネーション」(11)、「あまちゃん」(13)、「ごちそうさん」(13)、「花子とアン」(14)、「マッサン」(14)、「あさが来た」(15)、「とと姉ちゃん」(16)、「ひよっこ」(17)、「まんぷく」(18)、「なつぞら」(19)

<週刊朝日「朝ドラ」アンケート>「あなたの好きな『朝ドラ』3作品を選んでください」の設問で、ウェブのAERA dot.で2019年7月下旬~8月上旬に実施。632件の回答があった。女性の比率が69%。年代別では40代と50代で6割を占めた。

週刊朝日  2019年8月30日号