「煙が一瞬にして覆い尽し、折り重なるように亡くなっていた」 京アニの犠牲者遺族が語る無念 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「煙が一瞬にして覆い尽し、折り重なるように亡くなっていた」 京アニの犠牲者遺族が語る無念

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今西憲之週刊朝日
事件で犠牲になった武本康弘さん

事件で犠牲になった武本康弘さん

若い頃の木上益治さんと渥美敏彦さん(C)朝日新聞社

若い頃の木上益治さんと渥美敏彦さん(C)朝日新聞社

 京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオで7月18日に起きた放火殺人事件で、京都府警は2日、犠牲になった35人のうち10人の身元を初めて公表した。

【写真】若い頃の木上益治さんと渥美敏彦さん

 府警によると、公表された10人は、いずれも京都府内在住で、22~61歳の男性6人と女性4人。「らき☆すた」などで監督を務めた武本康弘さん(京都市伏見区・47)も含まれていた。京アニの社員はこう話す。

「京アニをここまで大きくした、立役者の一人が武本さん。仕事には厳しいが、職場を離れるととても優しい人でした。今も信じられない」

 兵庫県赤穂市出身の武本さん。高校まで地元で過ごした。小学校から高校まで同級生だった、男性はこう話す。

「小学校から高校まで一緒に通いました。明るくて、面白いヤツでした。放火と聞いて、びっくりした。武本君は今では有名な監督で、出張ばかりで海外にも行くそうで京都にはいないと思っていた。しかし、運悪くその日は京都にいた。安否わからんと聞いて、もういたたまれなかった。なんとか助かっていてほしいと思っていたが、こうして公表されると、つらい。中学、高校とよくファミコンのゲームで遊んだのが頭に浮かびました。ファミコンのゲームの主人公、スーパーマリオとか好きで描くとめちゃくちゃ上手やった」

 「火垂るの墓」などの原画を手がけたベテランアニメーターの木上益治さん(京都府宇治市・61)も犠牲になった。木上さんは京アニの創世記から長く在籍し、同社が初めて自主製作したファンタジーアニメ『MUNTOシリーズ』(ムントシリーズ)の監督などを務めた。静岡県藤枝市の自営業、渥美敏彦さん(59)は木上さんと東京の専門学校で同期だった。学生寮で同じ部屋で仲良くなった。その後、2人でアパートを借りて、家賃を折半してアニメを学んだという。

「私の静岡の家まで遊びに来てくれるなど、とても仲がよかった。専門学校を途中でやめて、ドラえもんなどの仕事をするようになった。昔から手が早くて、ささっと描き上げる。すごい腕だった。これから、たくさん若い、いいアニメーターを育ててくれると思っていたのに、こんな事件に巻き込まれて残念です」


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