AV男優と聞くと、どういう印象を抱くだろうか? ギラギラした、いかにも精力絶倫な男性かと思いきや、今年、AV男優歴30年を迎えた田淵正浩さん(52)は、物静かで、むしろシャイな男性だった。30年間で出演した作品は1万本以上、共演した女優は9千人を超える。
【写真】男優歴30年の田淵さんの手がコチラ。女性を傷つけないようにするためのケアがスゴイ!
現在、日本では年間約2万5千本のAVが発売されている。AV女優が数千人いるのに対して、AV男優はわずか約60人。その長いキャリアと、卓越した技術で“レジェンド男優”と呼ばれる田淵さんは、AV男優の中でも最高ランクの1現場6万円という出演料を誇る。
田淵さんがこの世界に入ったのは、横浜商科大学在学中のこと。工事現場でアルバイトをしている時に、先輩に「エロビデオに出ないか?」と誘われた。
「恥ずかしいから嫌だと何度も断ったのですが、『ビデオが嫌ならエロ雑誌はどうだ?』と言われたんです。ギャラを聞くと3時間で1万円。工事現場は朝から夕方までの肉体労働で9千円でしたから、おバカな僕は出てみることにしたんです」
エロ雑誌の撮影に数回臨んだ後、先輩から「そろそろビデオに出てみる?」と誘われる。当時の撮影は“本番”ではなく、“疑似”だったこともあり、何よりギャラの良さに惹かれて出演を承諾する。
「とにかくお金がよかった。新人でも1現場2万~3万円もらえましたから。大学生なのに40万~50万円も稼ぐようになったら、すぐに堕落しますよ(笑)」
こうしてこの稼業にどっぷり浸かるようになった田淵さん。結果的に30年間続けることになったが、一方で、男優も女優もきっぱりやめてしまう人は一定数いるという。
「お金がいいからこの仕事を始める人は多いんだけど、目標としている金額がたまるとやめる、という前向きな人は多いですね。男優は体力勝負と思われるかもしれないけど、実は体力が理由でやめる人は少ないんです。きつい部活と一緒で、やっているうちに慣れてしまうんですよね」
しかし、20代後半から慢性的な疲労に悩まされるようになった。
「先輩の加藤鷹さんや、同期のチョコボール向井さんは1日に5~6回発射しているのに、僕は1回でぐったり。体力差があるにせよ、差がありすぎる!」