『海辺のカフカ』と坂本龍一の娘の人生がシンクロ? ラジオマンの感慨 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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『海辺のカフカ』と坂本龍一の娘の人生がシンクロ? ラジオマンの感慨

連載「RADIO PA PA」

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延江浩週刊朝日#延江浩
延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFMエグゼクティブ・プランナー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFMエグゼクティブ・プランナー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

坂本美雨さん (c)AZUSA TAKADA

坂本美雨さん (c)AZUSA TAKADA

 TOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが音楽とともに社会を語る、本誌連載「RADIO PA PA」。今回は「『海辺のカフカ』を観て坂本美雨さんが涙を流した理由」。

【坂本美雨さんの写真はこちら】

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 劇場のある赤坂は激しい雨が上がったばかりだった。村上春樹原作・蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』、最後の日本公演を坂本美雨さんと観に行った。彼女は『村上RADIO』のアシスタントで、お父さんの坂本龍一さんは春樹さんと古い友人でもある。

『海辺のカフカ』のあらすじは……。15歳の少年が家出し、四国・高松に向かう。まだ見ぬ母を求め、父の呪いから逃れるように佐伯さんという女性が運営する図書館に寝泊まりする。一方、少年の住んでいた中野で猫探しをしていたナカタという知的障がいのある老人が少年の後を追うように高松に向かう。嵐のような季節を少年はくぐり抜け、母と出遭えるのか。

 猫の着ぐるみが登場する前半は楽しそうだった美雨さんだが、芝居の最後で泣きっ放しになった。柔らかい雨のように優しく透き通る声の美雨さんが、その声を押し殺すかのように。木場勝己さん演じるナカタさんがあまりに自然に、切なく息を引き取るものだから、美雨さんの涙とともに僕もしーんとなってしまった。

 終演後、食事の席で、美雨さんに「お父さんが坂本龍一で、お母さんが矢野顕子ってどんな気持ち? 二人ともとんでもない天才だけど」と聞いた。

「教授(坂本龍一さん)にしても、矢野さんにしても、私には構わない人たち」と笑った。「17歳でNYから出てきてしばらくウィークリーマンションで一人暮らしでした。何もかもわからず東京に来たの」

 美雨さんは結婚し子供が生まれ、坂本家は年末に揃って食事するようになった。

 坂本家の子供たちは4人。親の組み合わせが各々違う。教授が藝大時代に学生結婚した際の子供が長女、矢野さんが最初に結婚した時の子供が長男、教授と矢野さんの子供が次女の美雨さん、教授と今の奥さんの子供が末っ子の次男である。


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