また、健康食品である牛乳を薬と一緒に飲むと、薬の種類によって、効き目が変わってしまう。

「薬には、効果を発揮するための工夫があります。便秘薬は、腸溶製剤といって、薬が胃で溶けずに腸まで届くようにしているのです。ところが、牛乳で飲むと、胃酸が中和され、胃で薬が溶けてしまうため、便秘薬の効果を得られなくなるのです」

 睡眠薬は牛乳の乳脂肪分に溶けやすく、本来よりも効きすぎてしまう。そして、抗生物質や骨粗しょう症の薬は、カルシウムとくっついて薬の吸収率を低下させてしまうという。

 ほかにも、ビタミンKを多く含んでいるブロッコリーやホウレンソウ、小松菜などの野菜や納豆、青汁には、血液を固める作用があり、抗血栓薬(ワルファリン)の効き目を下げ、血栓をできやすくするとされる。一度にたくさんではなく、少しずつなら食べても良いが、納豆は少量でも菌が腸内でビタミンKを増やすため、服用時は避けたい。

 一見、健康に良さそうな食品でも、薬とは相性が悪いものもある。

「アルコールを飲んだとき、肝臓でたくさん分解されて酔っぱらいにくい人もいれば、少量だけで酔ってしまう人もいるように、薬も人によって効き方が違います。ほかにも、年齢や性別、日本人と西洋人などによっても変わりますが、効きすぎたり、効果が得られなかったりすることがあるので、薬の飲み方には気を付けましょう」

 よく言われることだが、薬は水かぬるま湯で飲み、不安なときは医師や薬剤師に相談しよう。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2019年6月10日号