野崎さんは晩年、「いい女と寝るのが男の夢だ」と記者にも語っていた。

「社長は勃たなくて悩んでいるようでした。妻にいいところを見せようとして、何かを飲んじゃった可能性はあるかもしれません」

 野崎さんの遺体からは致死量の覚せい剤が発見された。入手ルートとして、竹田さんに疑いの目が向けられることもあった。竹田さんの元夫が、覚せい剤に絡む容疑で捕まったことがあったためだ。

「もう20年くらい前のことです。私が六本木でクラブを経営していて、有名人や芸能人もたくさん来ていた。クラブのあったところは2部制で、夜中の午前零時までを私が経営して、午前1時からはホストクラブになった。若い男の子たちをたくさん集めていました。ある日、警察の手入れがあって、元夫や従業員が逮捕されました。その頃の六本木辺りはマリファナやクスリがはやっていたんですよ。クスリのせいか、ホストの従業員が何人か死んだこともあったようです」

 竹田さんは取材に対し、野崎さんと元夫の件は無関係だと強調する。

「もう20年くらい前の話なのに、今回の騒動で元夫は一生懸命働いていたところをクビになりました。私が社長のところで家政婦をやっていたせいだと、みんなに泣かれたり、批判されたりしました。私は覚せい剤とは全く関係がないんです」

 和歌山県警の捜査は長期化している。真相はいつ明らかになるのだろうか。
(本誌・上田耕司)
※週刊朝日限定オリジナル記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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