警視庁に逮捕された長谷川薫容疑者(c)朝日新聞社
警視庁に逮捕された長谷川薫容疑者(c)朝日新聞社

 お茶の水女子大学付属中学校(東京都文京区)で、秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまの机の上に刃物が置かれていた事件で、警視庁捜査1課は5月1日、建造物侵入容疑で、自称・長谷川薫容疑者(56)を送検した。

 警視庁は長谷川容疑者の京都市内の自宅などを家宅捜索し、悠仁さまの机にナイフを置いた動機などについて追及しているが、事件は謎が多い。

「長谷川容疑者は関西から上京し、都内のホテルに数日、泊まって犯行に及んだ。都内のホームセンターで枝切りばさみ、ナイフ、ヘルメットなどを買っている。すべて一人で用意したようだ。数年前まで母親と京都市内の集合住宅で二人暮らしだったが、最近は母親が病気になっていたようだ。右、左系の団体に所属していた形跡も見当たらない」(捜査関係者)

 学校内の防犯カメラの映像などから長谷川容疑者が一人で事件を起こしたとみられているが、不可解な点がある。

「犯行があった4月26日は、併設の小学校で保護者会があり、それが終わり、周囲に人が多い時を見計らって、長谷川容疑者は学校のフェンスをよじ登って侵入。その時、近くの防犯カメラの配線を切断し、工事業者を装い中学校に入った。防犯カメラの映像から、中学校舎まで迷うことなく、悠仁さまの教室にたどり着いている。その時、悠仁さまのクラスは体育で教室外で授業中だった。ある程度、内部情報を知っていた模様だ。だから、教室にナイフを置いて、正門から逃走するまでわずか20分という手際の良さだ。協力者がいた可能性もあります」(別の捜査関係者)

 長谷川容疑者は悠仁さまの机の上に、長さ約60センチのアルミ製の棒の先端に粘着テープで固定した果物ナイフ2本を置いた。ナイフの刃はピンクに塗られていた。

「取り調べに対し、長谷川容疑者は皇室の在り方について批判的なことを語っている。そのあたりが動機のようだ」(同前)

週刊朝日  2019年5月17日号