救急シミュレーション室で実習する学生たち
救急シミュレーション室で実習する学生たち
吉田素文教授
吉田素文教授

 看板学科の評価が大学のブランド力を示す時代となった。大学の顔である「至高の学科」を訪ねる。今回は国際医療福祉大学・医学科。

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 国際化が加速する社会で求められる医師を──。国際医療福祉大学は英語教育にひときわ力点を置き、国内外で活躍できる人材育成に努めている。医学部医学科は千葉県の成田キャンパスに2017年に設けられ、先駆的な環境で学生たちは学ぶ。

 医学科長の吉田素文教授は、カリキュラムの特徴について説明する。「入学直後にリスニング力で四つのクラスに分け、1年の1学期は週に8~12コマの英語の必修授業で、聞く力と話す力を鍛えます。2学期から2年の3学期までは、基礎医学など大多数の科目を英語で学びます」

 1年次の英語の授業は、必修が240時間、選択が180時間。約30人の外国人教員を含む、海外での臨床、教育、研究の経験豊かな教員約300人が指導にあたる。1学年の定員140人のうち20人は留学生だ。

 1年次から週2回、USMLE(米国医師免許試験)対策セミナーを実施しており、多くの学生が受講。5年次にUSMLEの筆記試験の受験を推奨している。6年次には全員が4週間以上、海外での臨床実習に参加する。「医学部の新設前から多彩な国際交流を続けてきたため、40を超える大学や医療機関と海外学術交流協定を結んでいます」と吉田教授。

 英語圏の大学への留学に必要なTOEFL ITPスコアは543点。1期生(現3年生)の入学時の平均は519点だったが、9カ月後には551点にアップ。2期生も511点から544点に伸び、2年連続で30点以上アップした。

 1期生で一番スコアが伸びた三宅真太さんの入学直後のスコアは473点。「2学期からの授業についていけるよう、必死で勉強したら、100点もアップして学年平均を上回り、ビックリしました」。2期生も3人が100点以上伸び、一番伸びた学生は133点アップしたという。

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