天皇皇后両陛下“ご成婚60年” 元侍従が明かす素顔とは? (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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天皇皇后両陛下“ご成婚60年” 元侍従が明かす素顔とは?

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週刊朝日#皇室
仲むつまじく腕を組む両陛下 (c)朝日新聞社

仲むつまじく腕を組む両陛下 (c)朝日新聞社

結婚当初のおふたり。立ち位置から初々しさが伝わる (c)朝日新聞社

結婚当初のおふたり。立ち位置から初々しさが伝わる (c)朝日新聞社

上段の左から3番目が、両陛下の肖像をデザインした成婚記念の切手(c)朝日新聞社

上段の左から3番目が、両陛下の肖像をデザインした成婚記念の切手(c)朝日新聞社

「振り返れば、私は成年皇族として人生の旅を歩み始めて程なく、現在の皇后と出会い、深い信頼の下、同伴を求め、爾来この伴侶と共に、これまでの旅を続けてきました」

【結婚当初のおふたりの写真と成婚記念に発行された切手はこちら】

 天皇としては最後の誕生日の会見で、陛下は60年の「旅」を共にした皇后さまへの感謝の意を述べた。夫婦として支え合った素顔の両陛下について、元侍従の多賀敏行氏が振り返った。

 両陛下がご結婚されたのは1959年4月10日です。小学3年生だった私はこの日の朝、成婚記念の切手を買いました。おふたりの肖像をデザインしたものが額面10円(茶色)と30円(緑色)の2種類あり、檜扇が(ひおうぎ)デザインされたものも2枚、合計4種類があり、それぞれ数枚ずつ購入しました。敗戦から14年。日本経済も復興を遂げつつあり、皇太子殿下(当時)のご成婚で、日本中が祝福ムードであふれていた時代でした。

 それから34年後の93年、私は外務省から宮内庁に出向し、3年間、陛下の侍従を務めさせて頂いた。両陛下はいつも、物事に対して丁寧に向き合う方たちです。たとえば、平成6(94)年秋の欧州ご訪問で、こんな印象深い出来事がありました。

 約2週間にわたるこの訪問は、広島県での地方公務から直接、立ち寄り先のドイツへ出発してフランス、スペインを訪問する過密日程でした。最終訪問国のスペインでは、随員やおつきの侍従や女官の疲労もピークに達していたうえ、スペインという国は夜が遅い。夜9時に始まった晩餐会が、終わるのは0時過ぎです。

 さらにこの日は、スペイン王室は、夜中からフラメンコの舞台鑑賞で歓待してくれました。舞台が始まるとダンサーを照らすスポットライト以外、客席は暗闇に包まれました。

「Gentlemen,wake up!」

 パチンと手をたたく音と同時に、ソフィア王妃の明るい声が響き渡りました。

 舞台は終わっています。疲れのあまり、当時70歳近い侍従長をはじめとする、われわれ侍従や随員は、気づかぬうちに寝入っていたのです。慌てて両陛下の方向を見ると、ずっと起きてフラメンコを鑑賞されていたご様子。誰よりも疲労をお感じのはずだったのに。

 当時の宮内庁長官も「昭和ひと桁生まれは、どこまでも真面目に物事に取り組まれる方が多い」と両陛下の真摯な姿勢を振り返り、「僕も昭和ひと桁世代なのだけれどね」と、苦笑いしていたことを思い出します。


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