「ただでさえ劣勢だった県知事選に、『あいつのせいで負けたんだ』というエクスキューズがつけられる。結果的に麻生さんにとって怪我の功名だった。そもそも公認候補は麻生さん側ですから、負けたとしても『勝ったのは謀反を起こした陣営、造反議員たちだ』と言える。話題の矛先をそちらに移したい麻生さんにとって、辞任は都合がよかった」

 とはいえ、政権にとっては痛手。首相の責任を問う野党からの追及は免れない。夏の参議院選挙に影響が及ぶ可能性もある。

「5日に発表された内閣府の世論調査では、外交と国の財政について『悪い方向に向かっている』とするネガティブな結果も出ています。今一度、安倍政治の検証が必要です」

“お調子者発言”で与党の足を引っ張った塚田前国交副大臣。ホームページで見られるプロフィルには短所としてこう書いてある。

<慎重過ぎる所>

 残念ながら短所を改善しすぎたようだ。
(本誌 秦正理)
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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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