家電量販店の初売りでは完売する商品が相次いだ=1日、東京・秋葉原のヨドバシカメラ(撮影・多田敏男)
家電量販店の初売りでは完売する商品が相次いだ=1日、東京・秋葉原のヨドバシカメラ(撮影・多田敏男)
初売りで福袋を買い求める人たち=2日、東京都中央区の高島屋日本橋店 (c)朝日新聞社
初売りで福袋を買い求める人たち=2日、東京都中央区の高島屋日本橋店 (c)朝日新聞社
西武池袋本店で売り出された野球盤などのおもちゃを集めた「昔ながらのおもちゃが平成でパワーアップ!福袋」 (c)朝日新聞社
西武池袋本店で売り出された野球盤などのおもちゃを集めた「昔ながらのおもちゃが平成でパワーアップ!福袋」 (c)朝日新聞社

 平成最後の2019年がいよいよ始まった。年末年始は家族とゆっくり過ごした人が多いだろうが、正月の楽しみと言えば初売り。今年も各地の百貨店や家電量販店に長蛇の列ができた。平成に流行した商品をまとめたものなど、「平成最後」にあやかった福袋も登場。売り場は活気にあふれたが、全体的に見ると消費者の財布のひもは固い。店側にとって頼りになるのはやはり「外国人」のようだ。

【写真】初売りで福袋を買い求める人たち

 東京の西武池袋本店は1月1日の午前10時が開店予定だったが、約2万人が集まり30分早めにオープン。行列の一番は、午前1時30分ごろに並んだ人だったという。約40万人が来店し、元日の売り上げは前年同日比で2%増えた。

 福袋は約1500種類、約15万個を用意。売れ筋は数千円~1万円程度の食品や衣料品だった。平成関連商品では、野球盤などを詰め合わせた「昔ながらのおもちゃが平成でパワーアップ!福袋」が家族連れに人気だった。ティラミスやマカロンなどを後日味わえる「平成スイーツブッフェ福袋」も好評だった。

 西武池袋本店で売り上げ増に寄与したのが、外国人観光客だ。社員が歌舞伎役者に扮した催しでは、多数の外国人が写真を撮っていた。

「正月を目指して来日する多くの海外からの旅行者にご来店いただいた。免税利用客数、免税売り上げともに前年伸長で推移しました」(同店広報担当者)

 外国人の勢いがあるのは、2日や3日に初売りをした三越や伊勢丹、高島屋などほかの大手百貨店でも同じだ。

 三越や伊勢丹では、7年ぶりに初売りと冬のクリアランスセールを同時開催。三越日本橋店では2日早朝から約5200人が列をつくり、予定より10分早い午前9時50分にオープンした。伊勢丹新宿本店は3日が初売りで、前年より4割ほど多い約1万人の行列ができて、予定より20分早い午前9時40分に開いた。ともに日本人だけでなく外国人客が目立ち、高額の福袋を買う姿も見られた。

 三越伊勢丹ホールディングスの広報担当者は、普段から外国人観光客が多い銀座三越店の売り上げが良かったと明かす。

「日本人と同じような購買スタイルになっていて、コートなど単価の高い冬物衣料も売れています。外国人は長期間の休みで日本に来ているので、4日の仕事始めに関係なく来店してくれます。遅い時間まで買い物を続けてくれるので、非常にありがたい」

 高島屋では日本橋店の2日の初売りに、前年を1千人上回る6千人が並んだ。外国人客が多い大阪や京都の店の売り上げも堅調だったという。

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